スイーツ、焼き菓子についての素朴な疑問や裏話を現役のパティシエ・大澤智弥氏が答えてくるこのコーナー。今回はタルトとパイ、ガレットの違いについての後編! 前回はあまり触れることができなかったガレットを中心に、パイ、タルトの違いについて、聞いてみました!
ガレットはそば粉のクレープ…だけではない!?
「パイとタルトの違いは、生地が同じであっても具材を包むか(パイ)、乗せるか(タルト)によって違うということを前回お話しました。定義としては曖昧なところもありますが、作る側にとっては明確な違いがあり、工程やこだわりが違います。一方で、パイやタルトと、ガレットは何が違うのか、というとそこはまた難しいのです」と大澤シェフ。
そもそも同じカテゴリーには収まらないのが、このガレットだと言います。
「ガレットというと、日本ではそば粉を使ったクレープが一般的にイメージされますよね。フランスでは、ガレットと名称がつく焼き菓子はいくつか種類があるんです。日本のようにガレット=そば粉のクレープではないのです」
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ガレットは「平らな」「平べったいもの」という意味のフランス語
大澤シェフによれば、ガレットというのは、もともと『平らな』とか『平べったい』というフランス語の形容詞で、フランスでは『円く焼いた料理』全般を差すものだと言います。
日本では、先のようにそば粉を使うクレープがガレットとして知名度が上がって定着してしまったのです。
フランスでは、そば粉を使ったガレットのほかにも、ブルターニュ地方の郷土料理として古くから親しまれている、バターを使った厚めのクッキー「ガレット・ブルトンヌ」や、フランスの新年のお祭りに食べる「ガレット・デ・ロワ」、そしてじゃがいもを使った「ガレット・デ・ポムドテール」などがあります。