不動産投資において、安価で高利回りな「老朽化物件」は、なかなか魅力的な存在です。しかし、低価格にはそれだけの理由があります。老朽化物件投資に伴う注意点について、不動産と相続を専門に取り扱う、山村法律事務所の代表弁護士、山村暢彦氏が解説します。

老朽化物件が安いのは、それなりの理由があって…

建物が古いため安価で、一見すると収益性が高く、高利回りの物件が比較的多い「老朽化物件」。融資付けがむずかしいといった側面はありますが、興味をもつ投資家の方も多いでしょう。

しかし、老朽化物件が安いのは、安いだけの理由があります。老朽化物件をうっかり掴むことで想定されるトラブルと、その解決法について解説していきます。

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老朽化戸建て物件の場合①…多発する修繕トラブルに辟易

老朽化戸建て物件は、ズバリ「修繕トラブルが多い」ことが特徴です。

老朽化している一軒屋の賃貸で驚くのは、やはり雨漏りの多さでしょう。設備の故障もかなり手痛い出費となるため、投資家としてつらいのですが、なかでも「雨漏り」が起きてしまうと、一度で致命傷になりかねません。

とはいえ、起きてしまった修繕トラブルは仕方がありません。対策として必要なのは、法律知識ではなく保険のほうです。

雨漏りは火災保険で対処することになりますが、純粋な老朽化の場合は保険適用範囲外かもしれないので、要注意です。しかし、大雨や台風などの影響による雨漏りの場合は使える可能性があるため、保険に入っておくと安心です。

設備故障の場合も、通常の保険だと適用範囲外となることもありますが、「機械特約」「設備特約」といった特約もあります。保険料としては高くなるかもしれませんが、入っておくと万が一のときには安心だといえるでしょう。

保険にかかるコストとトラブル発生の兼ね合いにはなりますが、老朽化物件の場合はまず加入しておくことをお勧めします。