バコパの詳しい育て方
苗の選び方
バコパは、苗から育てるのが一般的です。流通時期は春〜秋で、園芸店やホームセンターなどで手に入ります。
バコパの苗を選ぶ際は、葉や茎、根の状態に注目しましょう。葉の色が良く、茎がしっかりとしていて、根元から葉が良く茂っている苗がおすすめです。
植え付け・植え替え
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バコパの植え付け・植え替えの適期は、3〜5月か、9〜10月です。ただし、ほかの時期にも苗は出回っているので、花苗店などで入手したら早めに植え付けるとよいでしょう。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘り、軽く根鉢をほぐして植え付けます。最後に、たっぷりと水を与えましょう。複数の苗を植える場合は、20〜40cmの間隔を取ってください。
地植えの場合、環境に合えば植え替える必要はありません。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、6〜7号の鉢を準備します。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから草花用の培養土を半分くらいまで入れましょう。バコパの苗をポットから取り出して軽く根鉢をくずし、鉢の中に仮置きして高さを決めたら、少しずつ土を入れて植え付けます。水やりの際にすぐあふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3cm下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取っておいてください。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底から流れ出すまで、十分に水を与えましょう。大きな鉢にほかの草花と一緒に植え込んで、寄せ植えを作っても素敵です。
鉢植えで楽しんでいる場合、成長とともに根詰まりして株の勢いが衰えてくるので、1〜2年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から株を取り出してみて、根が詰まっていたら、根鉢をくずして古い根などを切り取りましょう。根鉢を1/2〜1/3くらいまで小さくして、元の鉢に新しい培養土を使って植え直します。もっと大きく育てたい場合は、元の鉢よりも大きな鉢を準備し、軽く根鉢をくずす程度にして植え替えてください。
日常のお手入れ
【摘心】
バコパは、苗が幼いうちに茎の先端を切り取る「摘心」を繰り返すと、よく分枝してこんもりと茂ります。枝葉が増えることで花数も増えるので、ひと手間かけておくことをおすすめします。
【花がら摘み】
バコパは次々に花が咲くので、終わった花は早めに摘み取りましょう。まめに花がらを摘んで株まわりを清潔に保つことで、病害虫発生の抑制につながりますよ! また、いつまでも花がらを残しておくと、種をつけようとして株が消耗し、老化が早まって花数が少なくなってしまうので注意。花がらをまめに摘み取ると、次世代を残そうとして次から次に花がつき、長く咲き続けてくれます。
剪定・切り戻し
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6〜9月に草姿が乱れてきたら、その都度切り戻して株の若返りをはかります。草丈の1/2〜1/3の高さを目安に、深めにカットしましょう。すると新芽を出して株が盛り返し、再び開花し始めます。
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夏越し・冬越し
【夏越し】
高温多湿を嫌うので、早めに切り戻しをして風通しをよくしておきましょう。地植えで湿気が多く強光線が照りつける環境の場合は、鉢に植え替えて養生させるのも得策です。鉢栽培では、風通しがよく涼しい半日陰などに移動します。
【冬越し】
寒さには強いほうですが、戸外で冬越しできるのは凍結しない暖地のみと捉えるのが無難。霜が降りたり、霜柱ができたりする地域では、鉢に植え替えて凍結しない軒下や、日差しが届きやすい室内などに移動して管理しましょう。
増やし方
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バコパは、種まき、株分け、挿し芽で増やすことが可能です。ここでは、それぞれの方法について詳しくご紹介します。
【種まき】
バコパの種まきの適期は3〜5月で、発芽適温は20〜25℃です。
種まき用のセルトレイに草花用にブレンドされた市販の培養土を入れ、1穴当たり1〜2粒ずつ播きます。土はかぶせずに、水を張った容器にセルトレイを入れ、底から吸水させます。発芽までは乾燥・過湿にならないように適度な水管理をしてください。発芽後は日当たりがよく、風通しのよい場所で管理します。本葉が2〜3枚出始めたら黒ポットに鉢上げします。さらに育苗して根鉢が充実し、十分に育ったら植えたい場所に定植します。
【株分け】
バコパの株分けの適期は、3〜5月です。株を植え付けて数年が経ち、大きく育ったら株の老化が進むので、「株分け」をして若返りをはかります。株を掘り上げて4〜5芽ずつ付けて根を切り分け、再び植え直しましょう。それらの株が再び大きく成長し、株が増えていくというわけです。
【挿し芽】
挿し芽とは、茎葉を切り取って地面に挿しておくと発根して生育を始める性質を生かして増やす方法です。植物のなかには挿し芽ができないものもありますが、バコパは挿し芽で増やせます。
挿し芽の適期は、4〜6月か9〜10月です。新しく伸びた茎葉を2節以上つけて切り口が斜めになるように切り取ります。採取した茎葉(挿し穂)は、水を張った容器に1時間ほどつけて水あげしておきましょう。その後、水の吸い上げと蒸散のバランスを取るために下葉を2〜3枚切り取ります。セルトレイを用意して新しい培養土を入れ、水で十分に湿らせておきます。培養土に穴をあけ、穴に挿し穂を挿して土を押さえてください。発根するまでは明るい日陰に置いて乾燥させないように管理します。根が回ってきたら黒ポットに植え替えて育苗し、十分に育った頃に植えたい場所へ定植しましょう。挿し芽のメリットは、親株とまったく同じ性質を持ったクローンになることです。
他の草花と組み合わせやすいバコパを花壇や鉢に咲かせよう
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這うように増え広がる草姿で、流れるような茎葉のラインが美しく、寄せ植えなどで動きを出すアクセントになってくれるバコパ。草姿が乱れても切り戻せば、若返った姿を再び見せてくれるのもいいですね。どんな花とも組み合わせやすいバコパを、ぜひ庭やベランダに取り入れてはいかがでしょうか。
【かわいい】寄せ植えやハンギングにも!バコパ(ステラ)
Credit
文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。