月額制サブスクで使いたいサービスは「ATM手数料無料」
これまで銀行の基本的なサービスの利用状況を見てきましたが、利用者が「こんなサービスがあればお金を払ってでも使いたい」と考えるのは一体どのようなものでしょうか。
月額料金を支払うサブスクリプション型でも利用したいサービスを尋ねたところ、最も多いのは「ATM手数料が無料になる」で6割の人が使いたいと回答しました。
一方で、金融知識が学べるサービスは3項目ともすべて5%未満とニーズが低くなっています。現代では、Webメディアや動画サイトなどを通じて無料で多くの情報が発信されており、お金をかけて金融知識を学びたいと考える人が少ないためと想定されます。
またX・Y世代では40%を超えて人気の高い「預金の金利が上がる」は、Z世代では25%に留まっています。これは、やはり元になる預金が他の世代に比べて少ないためお得感が感じられにくいためと考えられます。
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金利が上がっても「何もしない」は過半数以上、Z世代は特に顕著
2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切ったことで金利が上がる動きが出ています。
そのような中で、金利が上がったら取りうる(既に取った)行動についても最後に尋ねてみたところ、金利が上がっても特に行動する予定はない(行動しなかった)という人が過半数以上という結果になりました。Z世代は特にその割合が多く、他の世代よりも10%以上多い62%に上ります。
ここでも、Z世代が他の世代より貯蓄が少ないことや、ローンを借りるほど金額の大きい買い物(家や車など)をしている人が多くはないことが影響していると考えられます。
以上が今回の結果です。
今回の調査で、銀行の利用実態銀行口座を2口座以上保有する人が9割いて目的別に使い分けていることがわかりました。銀行口座を開設するのは給与やアルバイト代の受取が始まるタイミングやお金の管理・貯蓄を意識し始めるタイミングが多いようです。
Z世代は収入や貯蓄が他の世代に比べて少ないため、口座保有数も少なく、使い分けも意識していないことが今回の結果から伺えます。
また同じく貯蓄が少ないことが理由で、預金金利が上がることをメリットとして感じにくい傾向があります。
多様なZ世代を一言で括ることは難しいですが、やはり世代間で比較してみると、Z世代ならではの価値観が見えてきました。
今後もZ世代に留まらず、人々の「お金」に関する意識や価値観、行動を探っていきたいと思います。
【調査概要】
調査対象:Z世代(19~27歳)、Y世代(28歳~43歳)、X世代(44~59歳)
調査集計期間:2024年6月20日(木)~ 6月30日(日)
調査機関:iBankマーケティング株式会社
調査方法:インターネット調査
有効回答数:9,409サンプル(Z世代1,225名、Y世代2,557名、X世代5,627名)
※各データの内訳は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が必ずしも100%にならない場合があります。
【マネーインサイトラボについて】
マネーインサイトラボは、ふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行とiBankマーケティングが共同運営するお金に関する調査・研究組織です。デジタル時代における、人々のお金に関する意識・価値観・行動の変化や、新しい金融サービスの可能性について新たな視点を見出すことを目的に活動していきます。