単純な操作と手ごろな値段で、幅広い年代からの支持を集めているクレーンゲーム。近年ではゲームセンターの域を超え、専門店まで登場しているほどの盛況ぶりだ。
「取れそうで取れない」もどかしさがクレーンゲームの醍醐味ではある一方、「そこそこお金を費やしたのに諦める」という苦い経験をした人は少なくないだろう。
クレーンゲームの操作技術を高める必要があるのかもしれないが、それには多くの時間と資金が必要になってしまう。
初心者でも、景品をゲットできる「裏ワザ」は存在しないのだろうか。元ゲーセン店員で、現在はYouTubeを中心にゲームセンターの魅力を発信しているKanon氏に聞いてみた。
◆勝負は店選びから始まっている
話を聞いて驚いたのは「勝負は店選びから始まっている」という点だ。
「裏ワザと言っていいかわかりませんが、その地区にしかないような、個人店に行ってみることをオススメします。難易度が低かったり、レアな景品があったり、“ラッキー”に遭遇できる可能性が高いと思っています。
大手チェーン店は安定して儲けを得るために、難易度が高い傾向にあります。系列店や同地区の他チェーン店との情報交換を欠かさず、難易度が下がらないような調整をしているのです」
Kanon氏が働いていた大手チェーン店でも、定期的に集会が開かれていたそうだ。「筐体ごとの難易度を他店とある程度合わせて、どこかが極端に儲かったり損したりすることを減らす」狙いがあったという。
◆注意書きをチェックして優良店を選ぶ
「次にチェックしてほしいのは、筐体の注意書きです。『初期位置にしか手直しできません』という旨が記されている場合は、確率が低いと思った方がいい」
クレーンゲームは、店員に懇願すれば景品を有利な位置に動かしてもらえる可能性がある。「初期位置にしか手直しできない」というのは、そのサービスに対応していないという意味だ。
「私が店員だった時も、1000~2000円を費やしてくださったお客様にはより取りやすい位置に動かしてあげていました。『サービスしてくれる店であるかどうか』は、筐体の注意書きを見ればわかります。
1円も使ってないお客様にお願いされた時は、うやむやにしていました(笑)。『3000円も使ったんです!』などと嘘をつく方もいましたが、巡回中に様子を見ているので意外とバレます」
◆入口付近のぬいぐるみは“沼”の可能性が高い
次に気を付けるべきは、入口付近の筐体だという。一番目立つ場所である入口付近には、人気キャラクターなどのぬいぐるみが景品になっていることも多いが……。
「入口付近の筐体は“客寄せ”の役割を果たしています。僕が働いていた時は、店長から『2000~3000円くらいで取れるような設定にして』と言われていました。宣伝効果も込みで仕入れているので、簡単に取られたら困るんです」
ただ、入口付近の筐体だったとしても、「比較的難易度が低い」とKanon氏がオススメするジャンルがある。
「お菓子をはじめとした食品系の景品は取りやすくなっていることが多いです。賞味期限があるので、長くても2週間以内には取ってもらうことを想定しています」
店側に早く消費したいという思惑があるので、食品系は先述の「再配置」にも対応してもらいやすいそうだ。
◆3本爪の「確率機」に注目
次に、クレーンゲームの「アーム」に注目したい。アームは基本的に2本爪と3本爪の2種類があり、Kanon氏によると3本爪の筐体だけに使える「裏ワザ」がある。
「3本爪の筐体は、通称『確率機』と呼ばれています。その台の“設定金額”に到達したら、爪のパワーが上がり、格段にゲットしやすくなるのが特徴です」
設定金額は1000円の場合もあれば、5000円以上なんてことも。設定金額は店員に聞いても教えてもらえないが、確率機の存在を知っていると得できる場面がある。
「自分の欲しい景品が確率機で、もし先客がいたらマークしておきましょう。先客が諦めて筐体から離れた後にチャレンジすれば、設定金額に届きやすくなります」
◆「困ったら店員に助けてもらう」のが一番
様々な「裏ワザ」を紹介してくれたKanon氏。元ゲーセン店員である自身も、熱心なクレーンゲームマニアだ。
「僕のように、ゲーセン店員の多くはクレーンゲームが好きで働いている人が多い。楽しんでもらいたい気持ちが強いので、困ったらまずは店員に相談してみるのが一番です」
「裏ワザ」を駆使しつつ店員の力も借りて、安く楽しく景品をゲットしよう。
<取材・文/日刊SPA!編集部>