希望の会社でインターンをするためには、書類選考だけでなく面接を受ける必要があることほとんどです。面接中にまったく答えを知らないような話題を展開されることもありますが、そんなときにやってはいけないのが、知ったかぶりや分かったふりをしてしまうこと。では、どのようにその場を切り抜けたらよいのでしょうか? 本記事では、トテ ジェニファー麻綾氏の著書『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)より、一部抜粋して、リモート面接も含めた、インターンシップ選考の面接対策について解説します。
インターン面接での取り繕いはすぐに見破られる
インターンシップの選考では、まず書類選考を突破する必要がある。そして、その次には面接が待ち受けていることが多い。書類選考→面接(複数回)という場合や、書類選考→テスト→面接(1回)などがあるが、いずれにしても選考フローの終盤には必ずといっていいほど面接が登場してくる。
面接で大事なことは、いままでに何度も言われてきているだろう。あいさつや表情、てきぱきとした受け答え、結論ファーストなどは言わずもがな大切なことなので、ここでは省略する。
このような面接のお作法に加えて、ほかにもいくつか念頭に置いておくべき考えがある。面接のテクニック集とやらが巷に大量にはびこっているのは重々承知だが、ここではインターン選考というくくりにフォーカスして読んでみてほしい。
せっかく書類選考を通過して面接まで進めたのだから、少しでも自分をよく思ってもらいたいと考える気持ちはよく分かる。誰でもそう思うに決まっているし、多少背伸びをしてでも採用されたいと思うだろう。しかし、自分を無理に大きく見せようとすることはおすすめできない。なぜなら、学生がそれをやると大抵の場合失敗するし、そんなことなんかしなくても、「学生らしさ」を好いてくれる企業のほうが多いからだ。
失敗するというのは、何百人もの学生を見てきている面接官に適当な嘘をついても数秒でばれるということを意味している。面接は一問一答やイエス、ノーで終わる会話ではない。自分がした解答に対して、面接官がさらに深掘りして質問をしてくるのだ。そこで適当な嘘をつくと、話を横に広げられた際やさらに追求されたときにほころびが出る。
学生らしさというのは、学生特有のピュアさのことだ。というのも、面接官も就活前の学生に社会人の中途面接のような解答ができるとははじめから思っていないし、求めてもいない。むしろ、若さゆえのバイタリティの高さや、大学生活の出来事を交えたトークなど、その人から学生らしさを感じる瞬間を楽しみながら見ている。
インターンの選考と聞くと、意識の高いかっこいい自分にならなきゃと思ってしまう人もいるのかもしれないが、“できる学生”を演じることよりも、学生らしさを武器に面接に臨んでみてはどうだろうか。
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分からないことに対して「すみません」と謝る必要はない
面接中に切り込んだ質問をされて、頭が真っ白になるような状況を想像してみてほしい。それも、自分が全く答えを知らないような話題を展開されてのことだ。とっさに知ったかぶりをするか、正直に「分からないです」と言うか、それともほかにどんな対応を取るだろうか。
数年前の私は、どちらかといえば反射的に分かったような態度を取るタイプだった。つまり、この場合でいうと知ったかぶりをする人だ。今となっては、それだけはやめておいたほうがいいと声を大にして言える。しかし当時は、知らない=不採用、分からない=恥ずかしいことと心のどこかで思っていた。
実際には、この思い込みは真逆といってよい。冷静に考えてみれば、誰でも分からないこと、知らないことがあるのは当たり前である。ましてや、学生であればなおさら、知っていることよりも知らないことのほうが多くて当然のはずだ。なのに、なぜだか面接の場に行くと、全てを知っていて当然、というような考えになってしまう。
知ったかぶりをした場合に、さらに深掘りをされて最終的に返すことができずアウト、という状況になるよりも、はじめから「知りません」と伝えたほうがマシだ。それに、知ったかぶりをしている状態で入社できたとしても、企業側が思っている自分と実際の自分が違いすぎて、どこかでボロが出てしまう。
では、面接で分からないこと、知らないことを聞かれた場合はどうすればいいのか。時間次第で答えられそうな内容であれば、「少し考える時間をいただいてもよろしいでしょうか」考えてもさっぱり返事ができなさそうな内容であれば、はっきりと「分からないです」、「そこまでは存じていません」と言うべきだと思っている。
ここで「すみません」と謝る必要はない。何も悪いことはしていないし、知識が及ばなかったことは面接官に謝るべきことではないからだ。もしも、これにプラスアルファで何かを言うとしたら、「いまは存じ上げていませんが、今後勉強していく予定です」などと、今後キャッチアップしていく意欲を示すのがベターだ。