フェアトレードのバラで

フェアトレードの商品というと、コーヒーやチョコレートを思い浮かべる方も多いかと思います。

フェアトレードとは、売り手と買い手が商品の価値や労働に見合った価格で取引をすること。その背景には、発展途上国の商品が労働に見合わない金額で先進国に買われていたり、不当な契約で取引が行われている事実があります。


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バラやカーネーションなどの切り花にも、フェアトレード認証製品があります。海外の切り花は大規模なプランテーションで生産されていることが多いそうですが、そこで使用される農薬や汚水が適切に処理されずに環境に大きなダメージを与えたり、農薬を散布する労働者へ十分な防護服が提供されずに健康被害をもたらしたり、低賃金で働かされたりといった問題が指摘されてきました。

そこでフェアトレード基準の設定を求める声が強まり、2004年、切り花にも国際フェアトレード基準が設定され、以来、日本でも2006年から一部のスーパーマーケットや花屋でフェアトレード認証のバラやカーネーションが販売されています。フェアトレードフラワーは、ケニアやタンザニアを中心とした東アフリカ諸国と、コロンビアやエクアドルなどで多く生産されています。 プリザーブドフラワーのバラもコロンビアやケニア産が多く、切り花として輸入されたバラを国内でプリザーブド加工したり、現地でプリザーブド加工されて輸入されたりしています。

プリザーブドフラワーのバラは、色がたくさんありますね。花の大きさや咲き方もバリエーションが豊かです。美しいプリザーブドフラワーを使って、アレンジやリース作りを楽しみましょう。

Credit

文&写真(クレジット記載以外) / 海野美規
– フラワー&フォトスタイリスト –


うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。