長期でローンを組むデメリット
書類を見て驚くカップル
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長期で住宅ローンを組むことはメリットばかりではありません。デメリットにはどのようなものがあるのか、見ていきましょう。
総返済額が多くなる
前述した35年ローンと40年ローンの比較表のとおり、毎月の返済額を抑えられる一方で、返済期間が長くなった分、総返済額が多くなります。それに伴い支払利息の総額も多くなるので注意が必要です。
毎月のやりくりは楽になってもトータルでみると家計の支出は逆に多くなるのです。
設定金利が高い場合が多い
住宅ローンの金利は、変動金利タイプより10年などの固定期間選択型タイプの方が高く、さらに全期間固定金利タイプの方が高くなります。
さらに借入期間が長くなると設定金利も高い場合が多いのです。全期間固定金利のフラット35とフラット50の金利を比べた場合、フラット35は1.76%、フラット50は2.24%と0.48%も高く設定されています。(※2023年4月現在)
定年後も返済が続く可能性がある
例えば30歳から40年ローンを組んだ場合、完済時年齢は70歳です。途中繰り上げ返済をしなかったとすると定年後も返済が続き、年金の一部を返済に充てることになるため、老後のライフプランに大きな影響を及ぼします。
よって40年ローンを組む際は、完済時年齢と定年年齢を合わせるか、老後の年金生活に入る前に繰り上げ返済の計画を立てるなど、返済計画をしっかり立てておく必要があります。
選べる金融機関や商品の選択肢が少ない
一般的な35年ローンはどこの金融機関でも取り扱っていますが、40年ローンを取り扱っている金融機関はまだ少数です。借入を希望する金融機関が取り扱っていない場合もあるでしょう。また、40年ローンはその種類も少ないので選択肢が少ないといえます。
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まとめ
今回紹介した40年ローンは、比較的若い世代の人に向いているといえます。毎月の返済額を低く抑えられ、生活にゆとりが生まれます。特に20~30代の子育て世帯は、住宅ローンの返済と同時並行で子供の教育資金も貯めなければならないため40年ローンが役立つでしょう。
人生の三大支出である住宅資金と教育資金をうまくやりくりするために、40年ローンはとても有効です。支払利息総額が多くなるというデメリット以上に生活のゆとりや物件のグレードアップなどメリットの方が大きいといえるでしょう。
しかし40年という長い期間、住宅ローンを返済し続けるのは大変です。完済時年齢が定年年齢をオーバーする場合は、繰り上げ返済計画などもしっかり立てた上で40年ローンを検討するようにしてください。