更年期に女性ホルモンの分泌が減ると、さまざまな不調が表れがちになります。年を重ねても女性ホルモンを保つことはできないのか……、そんなとき、ときめくと女性ホルモンの分泌が増えるという情報を知りました。産婦人科医の駒形依子先生に真相を聞きました。

監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
2007年東京女子医科大学卒業後、米沢市立病院、東京女子医科大学病院産婦人科、同院東洋医学研究所を経て、2018年1月こまがた医院開業。2021年9月より介護付有料老人ホームの嘱託医兼代表取締役専務に就任し現在に至る。著書に『子宮内膜症は自分で治せる(マキノ出版)』『子宮筋腫は自分で治せる(マキノ出版)』『膣の女子力(KADOKAWA)』『自律神経を逆手にとって子宮を元気にする本(PHP研究所)』がある。

女性ホルモンの分泌は30歳をピークに減る一方



ときめきホルモンについて紹介する前に、まず、更年期の女性ホルモンの変化をおさらいしましょう。

「卵巣から分泌される女性ホルモンは2種類あります。加齢により卵巣機能が低下することで、これら2つのホルモンの分泌は減少していきます。

エストロゲン(卵胞ホルモン)女性らしい体型をつくるホルモンとして知られ、妊娠を促すさまざまな働きをしています。骨や血管、脳の働きのほか、自律神経や感情も整える働きがあります。

プロゲステロン(黄体ホルモン)妊娠が成立しやすいよう子宮環境を整える働きがあります。妊娠しなかったときには、不要になった子宮内膜を剥がして血液とともに体外に排出できるよう、生理を起こす働きをしています。

閉経の平均年齢は50.5歳。更年期は閉経前後10年間(45~55歳)と定義されていますが、この時期女性ホルモンに劇的な変化が表れるのです。30歳をピークに女性ホルモン(エストロゲン)の量は年々減少していきます」(駒形先生)

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ときめくと女性ホルモンは増える?



ときめきホルモンとは、どんなものなのでしょうか。また、本当に女性ホルモンの分泌は増えるのでしょうか。

「ときめきホルモンと呼ばれるのは、PEA(フェニルエチルアミン)というホルモンです。PEAは恋愛の初期段階で活性化し、濃度が上がるとドーパミン(快感ホルモン)、セロトニン(幸せホルモン)、エンドルフィン(陶酔感を感じるホルモン)といった、高揚感をもたらすホルモンが活性化されます。

これらのホルモンで満たされると、いきいきと若々しく幸せな気持ちになりますが、女性ホルモンが分泌されるかは検査してみないとわかりません。しかし、女性ホルモンと同じ働きをすると十分に考えられます。ときめきホルモンは、女性ホルモンの代わりになると言えるでしょう」(駒形先生)