FPおすすめの投資・金融商品

1と2の前提条件を確認して頂いたところで、個人が取り組みやすい普通預金よりもいい方法を考えていきましょう。

個人向け国債

財務省が販売している個人向け国債は元本が保証され、途中で利子を受け取る金融商品です。満期までの期間が3年(固定)・5年(固定)・10年(変動)の3タイプが販売されています。2024年7月発行の5年満期の国債は金利が0.59%で、元本30万円では途中の利子がトータルで8845円受け取れます。銀行の定期預金が0.2%程度ですので、銀行に預けるよりも多くの利子を受け取れます。注意点としては購入後1年間は現金化できないことです。

外貨定期預金

日本円を外貨で運用する方法です。日本円をアメリカドルなどに両替し預け入れをします。金融機関によっては、満期までの期間が1年の定期預金で年率4.5%という高い利率の商品もあります。また預入時よりも満期時の為替レートが円安になっていれば、為替差益を得ることができます。反対に満期時に円高になっていれば為替差損が発生し、日本円での受取金額が元本を割る可能性が高くなります。

投資信託

投資信託は投資家から集めたお金をプロのマネージャーが運用してくれる金融商品です。2024年からの新NISAでは非課税制度が拡大し、投資未経験者も含め世間の注目を集めています。投資先としては全世界の株式市場の取引状況に連動する全世界株式型や、アメリカの主要企業などの成績に連動するS&P500型の投資信託が人気を集めています。

その他にも日本の株式市場に連動するものや、一つの商品の中で株式や債券などに分散投資ができるバランス型の投資信託も人気です。投資先によって運用成績が異なり、マーケットの値動きによっては元本割れをすることもあります。

定期預金

マイナス金利が解除されたとはいえ、まだまだ銀行の金利は低いのも事実です。ただしインターネットバンクだと1年定期で0.5%程度の利息がつく銀行もあるので、検討の余地があるでしょう。なお銀行預金の最大のメリットは安全性です。もし銀行が破綻しても1000万円までの預金と利息は守られ、またリーマンショックのような株式市場の大暴落があったとしても、銀行の預金残高は減りません。

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FPが考える投資方法


資産を増やす
【画像出典元】「78image/Shutterstock.com」

三男の運転免許用の資金、使うのは6年後の予定ということですので、下記の方法はいかがでしょうか。

1.    個人向け国債を15万円分購入

5年満期か10年満期の個人向け国債を30万円の半分である15万円分購入します。大きなリターンは期待できませんが、安全性が高く、仮に株式市場で大暴落が起きたとしても価値が目減りしません。

試算例:個人向け国債と定期預金の組み合わせ 運用期間は5年間
5年満期の個人向け国債・適用金利0.61%(*1)を15万円購入すると、満期までに受け取る利子は5年間の合計で税引き前4570円、税引き後で3641円になります。

またネット銀行の5年定期・適用金利0.02%(*2)に15万円を預けると、税引き前利息が150円、税引き後利息が121円になります。

上記の組み合わせで得られる利益は合計で3700~3800円の見込みです。

(*1)(*2)2024年7月発売(8月発行)分の利率

2.    投資信託を15万円分購入

新NISAを使い、投資信託を15万円分購入するというのはいかがでしょうか?購入するのは日本の公的年金と同じく、資金を日本株式・日本債券・海外株式・海外債券に25%ずつの割合で投資してくれるバランス型のファンドがおすすめです。

日本の公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国民から集めた年金保険料の一部を将来の給付に備えるために資産運用をしています。過去20年間で大きな利益を出しており、資金を日本株式・日本債券・海外株式・海外債券に25%ずつ分散して運用し、過去20年間で年平均4.0%の成績を出しています。

試算例:バランス型ファンドと定期預金の組み合わせ 運用期間は5年間
期待リターン4.0%のバランス型ファンド15万円分を一括購入すると、5年経過後の評価額の予想はおおよそ18万2000円。NISAを活用すれば利益部分の3万2000円は非課税で受け取れます。

またネット銀行の5年定期・適用金利0.02%(*)に15万円を預けると、税引き前利息が150円、税引き後利息が121円になります。

上記の組み合わせで得られる利益は合計で3万2000円前後の見込みです。
(*)2024年7月の金利

運用期間が5~6年程度と短いため、大きく資産価値が上昇することは難しいですが、銀行の預金よりも増えることは期待できそうです。またバランス型の投資信託であれば、もし暴落が発生しても値下がりの幅が株式だけの投資信託よりも穏やかです。

なお購入方法はまとめて15万円でも良いですし、3万円分を5回でも構いません。ただ運用期間をできるだけ長めに取るため、遅くとも半年以内に15万円分を購入することをおすすめします。