「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、星野リゾートが全国24カ所に展開する温泉旅館ブランド「界」。季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたもてなしを追求している。今回ご紹介するのは、九州有数の温泉地の魅力を伝える「界 雲仙」。そこで待っているのは、今を最高の瞬間に変える最上の滞在だ。
活火山が多く集まる九州は源泉の数、そして湧出量の豊富さでも日本トップクラスだ。まさに温泉地の宝庫。長崎県は島原半島に位置し、雲仙岳の麓にある大地のパワーがみなぎる雲仙温泉もそのひとつだ。
「界 雲仙」は日本初の国立公園・雲仙天草国立公園内の雲仙温泉に位置し、硫黄の香りが立ちこめる噴気地帯“雲仙地獄”に隣接。地球の活動が体感できる場所にある。宿は、鎖国時代にも海外との交易が盛んだった長崎の、和(わ)(日本)、華(か)(中国)、蘭(らん)(オランダ)の要素が混ざり合った独自文化を表現。51の客室はすべて、地域文化に触れる「界」独自のご当地部屋「和華蘭の間」だ。オランダ伝来の硝子工芸品であるステンドグラスをモチーフにしたインテリアや、伝統の陶磁器「波佐見焼」、色彩豊かな土人形「古賀人形」も配されていてレトロなムードが漂う。16室は個性的な「客室付き露天風呂」。露天風呂と寝室の間に開放的な「湯上がり処」が設置され、客室の半分以上を湯浴みスペースに。入浴と休息に集中できるようデザインされている。
「客室付き露天風呂」では、開放的な湯浴みスペースから隣接する地獄の湯けむりを堪能
客室の随所に長崎文化が。焼き物「波佐見焼」の装飾も
大浴場の内風呂は、源泉かけ流しの「あつ湯」と、心身ともにリラックスできる「ぬる湯」の2種。色鮮やかなステンドグラスが湯面に映り込む様はロマンティックだ。露天風呂は、雲仙地獄の湯けむりを眺められる野趣あふれる岩風呂。硫黄の香りに包まれたなら、癒やされるばかりか活気も湧いてくる。滞在中にぜひ体験してほしいのが、ご当地湯について学ぶ「温泉いろは」や、朝の澄んだ空気の中で行う「雲仙地獄パワーウォーク」(要事前予約)。ウォークでは、深い呼吸と早足歩きで噴気や湯気を取り入れ、「旧八万地獄」では地熱を感じながらストレッチ。地獄を一周し、そのパワーを存分に取り込むことができる貴重な体験だ。
大浴場の露天風呂。源泉は宿と地続きの雲仙地獄から湧き出た鉄と硫黄分を含む強酸性のにごり湯
食事は中華格子で仕切られた半個室の部屋で。夕食では、和華蘭文化の代表格、卓袱(しっぽく)料理から着想を得たメニューと演出で、地元食文化を堪能。特別会席のメインは「あご出汁しゃぶしゃぶ」を。長崎県で親しまれているあご出汁に、牛肉をくぐらせていただけば“口福”至極だ。
豚角煮のリエットと湯せんぺいの先付け。和華蘭から着想を得た彩り豊かな器や料理
いずれもが唯一無二のラグジュアリー体験。ここにしかない時間を味わう、そんな贅沢こそが今を最高の瞬間に変えてくれるのだ。
ひとりでも、変わらぬ至福の名湯体験を「雲仙ひとり温泉満喫プラン」
色鮮やかなステンドグラスが煌めく朝の大浴場
ロマンティックな長崎文化と、地獄パワーみなぎる効能豊かな温泉が人気を集め、ひとり旅の人も女性の旅行者も増えている「界 雲仙」。そこで安心して最高の今を体感できるよう、7月から通年で、ひとり旅プランが登場。「客室付き露天風呂」に宿泊し、個性的で歴史のある共同浴場を巡り、伝統工芸に触れる体験や日帰り施設を訪れる2泊3日。四季折々の絶景や地元の食を楽しみつつ、長崎の異国情緒を感じるレトロな空間で温泉三昧の旅をぜひ。
「あご出汁しゃぶしゃぶ」。締めは島原のうどんを
ご当地楽「活版印刷体験」でそのルーツや楽しさに触れて
雲仙ビードロ美術館でクラフト体験を
地元の職人、生産者とのご当地体験が書籍に
全国の「界」がゲストに提供しているご当地文化体験「手業のひととき」が一冊の書籍に。「手わざの日本旅 星野リゾート 温泉旅館『界』の楽しみ方」(のかたあきこ著・旅行読売出版社刊)で、「界」独自の滞在スタイルを知ってみては。
自分が収穫した山梨のブドウを、シェフが美食に仕上げるぜいたく旅
島胡椒にヤギ。竹富島のテロワールを体感する夏のコース