季節で変わるオリジナルパフェ、何杯も楽しめる中国茶


「仙草消暑芭菲(シェンツァオ シャオシュゥ バァフェイ)」

お店では、中国現地のスタイルを踏襲したスイーツのほか、季節によって変わるオリジナルパフェも人気。使う素材や組み合わせは、夏は熱を冷まし、冬は体を温めるものを…、と薬膳の考え方を取り入れながら考案しているのだそう。

9月中旬ごろまで提供される盛夏メニューのパフェは『仙草消暑芭菲(シェンツァオ シャオシュゥ バァフェイ)』。7種のクリームやゼリー、食材を組み合わせた贅沢なスイーツです。

上部の黒いゼリーは、体の熱をとる仙草を使ったもの。中国茶の材料としても親しまれている菊の花で飾られていて、わずかな苦みとすっきりした甘さを感じられます。

下には緑豆クリームやココナッツクリームのほか、銀耳(白きくらげ)や黒糯米(もちごめ)も。少しかたくて歯ごたえのある銀耳、プチプチ食感と素朴な甘さが心地よい黒糯米…。パフェの材料としては珍しい素材によって、上品な味わいが生まれています。


「鳳凰単叢 鴨屎香(ホウオウタンソウ カモシコウ)」

“中国茶カフェ”の肩書をもつ甘露には、何度でも通いたくなる多数のお茶も。『鳳凰単叢 鴨屎香(ホウオウタンソウ カモシコウ)』は、“鴨のフン(鴨屎香)”と名前が付いた中国茶。あまりに香りが良い品種のため、盗まれるのを防ぐためにこんな名前になったのだそう。

お店の中国茶について、「『飲んですぐに仕事に行く』といったせわしないものよりは、『ゆったりと充実した時間を過ごす』ためのものとして楽しんでほしい」と話すオーナーの向井さん。お店で出される中国茶はお湯を足して4-5回程度飲むことができ、スイーツを食べ終わった後ものんびりとティータイムを過ごせます。

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広い国土の分だけ、面白さがある。

学生時代から、中国について学んでいたという向井さん。「中国の人と出会って、『一緒にお店を始めよう』となりました」と、オープンのきっかけを話します。

「もともと人と人とがつながるような場所を作りたいと考えていて、中国からきた留学生と出会い、一緒に店を開くことになりました。

妻が鍼灸師になるための勉強をしており、中国文化に詳しかったことも店を『中国のお茶やお菓子を出すカフェ』に決めた理由です。私もたまたま中国関連の勉強をしたり、仕事で中国に足を運んでいたりしていて、いろいろなものがつながって開店に至りました。

店で出すスイーツのメニューやレシピは、妻を中心に、中国から来たスタッフや私も交えて考えています。現地でその季節に食べられているおやつや、店独自のメニューでも、その時期に旬な素材を使ったものを提供するようにしていますね」


中国の民間絵画である「年画」が描かれた傘

違う国から来た人が出会い、生まれた甘露と魅力的なメニューたち。お店には、店主の思う“中国の面白さ”もつまっています。

「私は、中国に国土の広さの分だけ、面白いものがあると思っています。どこに行っても文化や食べ物の違いがあり、自分がまだ知らないものもたくさん眠っていて。新たに見つけた面白いものを皆さんに紹介する、というのをこの店でもやっているつもりです。

広東省、中国東北部、など特定の地域のメニューを楽しめる店はありますが、全土のメニューを出す店はまだ東京には少ないと感じます。この店は、中国のさまざまなエリアのおやつを楽しめる店として、多くの人に訪れてほしいです」