アクセス至便で集まりやすく、エリアごとにキャラクターがあって、ハイレベルな新店が多く誕生している恵比寿。
そんな街を愛するのが、通称“人脈おじさん”だ。フットワーク軽く、広く浅く、酒場を巧みに使い分けて交流を深める達人。
大人の居酒屋にビストロなど、飲み会のシチュエーションに合わせて、恵比寿エリアのおすすめ店4軒をご紹介!
【人脈おじさん】
成功の秘訣は人との繋がり。毎夜の食事会が運を呼ぶ
人生で大切なことは、コミュ力の高さとフッ軽なこと。一緒に飲んで親しくなるなら、高級店より肩ひじ張らない洒落た店がいい。
新店やトレンドの店の情報はいち早く仕入れ、若手はもちろん美女もクライアントも全方位的に喜ばせる、幹事の腕は超一流。
そんな彼らがいる店は常に話題の一軒で、トレンド感に満ちている。
1.趣味でつながる若者との「オフ会」なら!
『肴場あおもん』@鎗ヶ崎
イマドキ感がありつつ落ち着いた客層。若い世代には、この大人感が刺さる
趣味を語り合える歳下は貴重な存在だから、オフ会だって彼らがリピートしたくなる上質な酒場にこだわりたい。
そこで選ぶのが、鎗ヶ崎の魚が旨い店。代官山方面に住む相手にとっても便利で、駅前の喧騒から離れるのも好都合だ。
◆
恵比寿駅から徒歩5分。駒沢通りを何度歩いた人でも、そこに店があるとは気づかない。
コンクリの壁に木の扉がはめ込まれ、よく見れば付箋ほどの札に『肴場あおもん』の文字が。
かなり重い扉を開けて中に入ると、シンプルモダンなイマドキの酒場が広がる。
メニューに並ぶのは、青魚を中心とする料理の数々だ。
「大人になるにつれて魅力が分かる青魚に焦点をあてました」とは店主の渡辺慎一郎さん。
熊本の南蛮揚げに出汁をたっぷり吸わせた「出汁いなり」(1個¥330)も定番。
日替わり2種で写真は〆サバとわさび海苔。
「〆鯖生海苔造り」(¥1,078)は、短時間で〆たレア感がポイント。
“東京イチ”とも言える軽やかさで、相手のアジフライの常識が変わるはず
地方直送の魚による刺身盛りや〆サバで杯を進めつつ、絶対に頼むべきは名物「重さゼロのアジフライ」だ。
それは渡辺さんがアジフライで有名な長崎・松浦で研究した結果の逸品。究極の軽さを求め、アジフライ用のパン粉を専門店に特注。
食べればメニュー名に納得するはず。サクッとしながら儚いほどエアリーで、アジのフワフワの身と半熟のレア感も同時に感じる。
概念が変わる美味しさに、若者が声をあげて驚くのも想像に容易い。
中華のエッセンスを取り入れたメニューも!
他、よだれ鶏など中華系の料理もあるから、長居しても飽きることはない。
加えて店が料理を取り分けてくれるので、話に集中できてメンバーに気を遣わせないのもメリット。
彼らが魚に開眼しながらともに趣味を語れる店は、人脈おじさんこそ知る恵比寿らしい隠れ家酒場だ。
2.クライアントとの「しっぽり飲み」なら!
『青ちょうちん』@恵比寿ガーデンプレイス
若者も多い恵比寿で、取引先としっぽり飲むなら“ガプレ”のハイエンド横丁「ブリックエンド」がオススメ。
中でも、この店は料理が本物で舌の肥えた相手でも安心。圧巻の音響システムもあって話題にも事欠かない。
16Aホーンの音を聴きながら一ツ星の小料理をつまめる。堪らないでしょ
カウンターに座ると、その巨大さに改めて驚く。レコードがかかれば圧倒的な臨場感。体中がすっぽり音に包まれたように錯覚する。
聞けば現代のオーディオがいまだに超えられない「ウェスタンエレクトリック」という、いまはなきアメリカの伝説的音響機器メーカーが1929年、映画館用に作った音響システムとのこと。
“16Aホーン”という名でスピーカーだけでなく、アンプも当時のまま組み立てられている。
『青ちょうちん』は、ミシュランで星を獲得する白金の日本料理店『あき山』が手掛けるバー。
店主の秋山英登さんが「よりカジュアルに、ウチの出汁とお酒を楽しんでほしい」と開いた。そのため、肴はすべて『あき山』仕込み。
『あき山』の定番「ひじきのきんぴら」(¥800)は、常時提供。
鮮魚も本店に届くものを使用。この日の「刺身 マグロ」(¥1,200)は背のハガシ。
一番の名物はおでんで、本店と同じ定番料理も提供。
どれも出汁の旨みが前面に出た上品さで、大人が安堵する優しさにあふれている。
出汁に寄り添う日本酒を厳選!
その味わいに合わせて厳選したという、日本酒もかなり充実しており隙がない。
こうして本物をふたりで共有する時間は他の何物にも替えがたく、誘った相手への最高のホスピタリティーとなるのだ。
3.クリエイティブ系との「深夜メシ」なら!
『BISTRO NOCHE』@並木橋
27時まで営業していて、点心も本格的だから業界人が自然と集まってくる
深夜にガッツリ美味しいものを欲する。それは遅くまで働いてモノを創るクリエイティブ系の習性かもしれない。
そんなときに重宝するのがココ。静かな一角にあり、店主も気さくで通いやすい。
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明治通り沿いだが、『BISTRO NOCHE』があるのは人通りの少ない一角。さらに隠れるようにビルの2階に潜んでいる。
木の扉を開ければ、すでにかなりの賑わい。クリエイティブ系も多い、深夜族の溜まり場になっている。
店主の山下貴彦さんは以前、西口の線路沿いで居酒屋を営んでいたが、その頃から何気なく作る料理が抜群に旨いというすご腕の持ち主。
ビストロといいつつ、刺身や揚げ物などの居酒屋料理も多く、その多彩さに驚くが、本人はひょうひょうとしていて、「お客さんのリクエストをいろいろ聞いていたら、こんなに増えちゃいました」と豪快に笑う。
この人柄に惚れ込んで通う仲間も多いのだ。何を食べても間違いないが、特に点心は絶品。
実は老舗の中華料理店でみっちり修業した経験があり、レギュラー陣だけで餃子6種、焼売4種をオンメニュー。
どれも噛み締めれば、旨みたっぷりの肉汁があふれ出す。
同じ黒豚を使う「ガリ餃子」(¥750)は、にんにく、ニラ不使用。
こだわりのクラフトジン& ビールも!
お酒もクラフトビールや国産ジンなど、珍しい銘柄を多彩に取りそろえていて飽きさせない。
通うほどに味わい深く感じられる深夜食堂なのだ。
4.ウェルビー女子との「食事会」なら!
『やくぜん酒場 甘草』@渋谷橋
健やかなライフスタイルにこだわるウェルビー女子が、体に優しい外食を求めるのは言わずもがな。そこで最適なのが、薬膳に着目した酒場だ。
駅近のロケーションも便利なため、いつでも誘いやすい。
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渋谷橋のすぐ横に、“漢方薬”と暖簾がかかった薬局があったのを覚えている人も多いはず。その場所が昨年末、『やくぜん酒場 甘草』として生まれ変わった。
薬局が跡地での飲食展開を考え、選ばれたのが同店。「国産生薬を作りたい」との目標を掲げ自社畑ももつ、なんちゃってではない“やくぜん酒場”なのだ。
罪悪感なく飲める!薬膳の考えを取り入れた体思いの料理やお酒
薬膳料理は難しく聞こえるが、要は体を整える旬の野菜を使った食事。
ここでウェルビー女子に嬉しいのが、野菜をたっぷり使った結果「美味しい!」が先行することだ。
例えば丸鶏でとった「草鍋」のスープはつまみになるほど滋味深く、生姜も効いて冷房で冷えた体を温める。
そこにツルムラサキやケールなど旬の葉物野菜が10種ほど入り、腸活効果もあり。
マカがステーキの薬味となるのもここならでは。
精力剤と思われるマカだが、実は西洋わさびに似た味わいで女性の不調にも良いとされる。
鶏肉をベースに、アボカドやリラックス効果が高いエストラゴンを巻いた「薬膳春巻き」¥748。
そんな体にいいこと尽くしの料理で飲めば、罪悪感も忘れ、お酒が進んでお喋りも活気づく。
女子のテンションの上がり具合が、目に見える薬膳料理の即効性だ。
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