本命との初デートで、2軒目に誘うのはアリ?22時半に1軒目が終了した後、好印象を残すためには…

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「あの話題はNG!」アプリで出会って初デート。踏み込んだ話はどこまでOK?

愛莉との初デートの帰り道。金曜夜の恵比寿の街の喧騒も相まって、僕は完全に浮かれていた。

「愛莉ちゃん、また会える?」

「うん、会いたい♡」

可愛い子に、こんなふうに言われたら舞い上がるに決まっている。

しかし蓋を開けてみれば、この初デート以降愛莉とは会えていない。

今年で30歳になる僕は、正直に言うと顔は悪くないと思う。元々バスケをしていたので身長も高く、モテるほうだ。

なので今まで、どちらかというと女性に苦労をしたことがなかった。

しかし愛莉には刺さらなかったのか、なんなのか…。

今回は、敗因がわからない。デート中も、愛莉は終始楽しそうにしていた。それなのに、どうして急に返信が来なくなってしまったのだろうか…。



Q1:女が心を掴まれた言動は?



愛莉とは、学時代の友人が開催してくれた3対3の食事会で出会った。愛莉はふわっとした女の子らしい雰囲気がとにかく可愛くて、僕のタイプだった。

― 可愛い子が来た!

そうテンションが上がるほどだ。

しかも隣に座っていたので、これはチャンスだと思い、僕は積極的に話しかける。

「愛莉ちゃん、飲み物足りてる?」

「うん大丈夫です。翔さん、でしたよね?」

「名前覚えてくれた?嬉しい」

入りはふわっとしていたけれど、ここから僕は愛莉のことをもっと知るために質問を続ける。

「お仕事は何をされているの?」

「私はIT系のスタートアップの会社で働いてます。翔さんは?」

「僕は外資系の保険会社だよ」

「保険屋さんなんですね。オフィスはどちらなんですか?」

そんな会話を続けていると、愛莉は1歳下だということがわかった。

「1歳しか違わないし、敬語やめようよ」

「いいの?」

「もちろん。愛莉ちゃんって絶対にモテるよね?可愛いし、話しやすいし」

「え〜どうだろう。翔くんもカッコイイからモテそうだけど」

「いやいや、僕は。愛莉ちゃん趣味とかあるの?」

「趣味…最近、ゴルフ始めて!ハマってるよ」

「そうなんだ。僕もゴルフするから、今度行こうよ」

こうしてすっかり一次会で打ち解けた僕たち。「可愛いし、話しやすくていい子だな」と思ったけれど、愛莉も僕を気に入ってくれたのか、二次会でも隣に座ることができた。

そこでも盛り上がり、なんとなく勝率が掴めた僕は、会の解散間際にデートに誘うことにした。

「愛莉ちゃん、良ければ今度デートに誘ってもいい?」

すると、愛莉は恥ずかしそうにコクリと頷く。その仕草が可愛くて、僕は絶対に次のデートは成功させると心に誓ったのだ。

そして2週間後。愛莉との初デートがやってきた。

しかし当日。お客さんの対応に追われ、僕は10分遅刻してしまった。

「ごめん!待たせちゃって。本当にごめんね」

しかし平謝りする僕に対して、笑顔で迎え入れてくれた愛莉。

「ううん、全然大丈夫だよ」

― 天使なのか?

そう思いつつ、遅刻というミスはあったものの、楽しい初デートが始まった。



Q2:このデートで、女がさめた言動はどれ?



遅刻のミスを挽回すべく、僕はとにかく会話を盛り上げることに集中することにした。

「愛莉ちゃんは、この店来たことあった?」

今回の愛莉との初デート。店選びに困ったのだけれど、結局、「以前も行ったことがある」という安心感も含めて、恵比寿にあるカウンター系の和食屋にした。

「ううん。初めてだよ。よく来るの?」

「2~3回目かな。使い勝手もいいし、料理も美味しいから気に入っていて」

「素敵なお店だね」

「でしょ?良かった、気に入ってもらえて」

照明が暗めで良い雰囲気のカウンター席で隣になりながら、乾杯をする。そして食事をしながら、今日も僕たちはいいムードでデートが進んでいっていた。

「じゃあ翔くんは、ずっとバスケをしていたの?」

「そうそう。だから身長が伸びたのかも」

「身長何センチ?」

「187くらいかな…」

「すごい大きいね!私、身長が低いから羨ましいな〜」

「そうなの?小柄な女の子って可愛いじゃん」

デート中の会話で、相手が自分のことをどう思っているのかはある程度予測できる。今日の愛莉の感じだと、結構僕のほうに矢印が向いている気がした。

1軒目を終え時計を見ると、22時半だった。

ここで解散するのが良いのか、2軒目へ誘うべきなのか…。

本命女子の初デートの場合、どちらが正解なのだろう。

少し悩んだけれど、僕は本能に従い、もう1軒誘うことにした。

「愛莉ちゃん、この後まだ時間ある?もう1軒行かない?」

すると少し沈黙が流れた後、愛莉はニコッと頷いた。

「いいね、せっかくだしもう1軒行こう!」

店は考えたけれど、先ほど結構お酒も飲んだしお腹も一杯だ。静かなバーでしっぽり…という感じでもないので、僕は以前一度だけ友人に連れていってもらった、カラオケ付きのバーへ行くことにした。

「少し歩くけど大丈夫だよね?」

「うん、いいよ」

10分弱くらい歩き、ビルに到着した。3階に位置するバーへ向かうエレベーターの中で、愛莉が急にうつむいた。

「この時間のエレベーター、嫌だな…」

「え?なんで?」

「蛍光灯のライト、キツくない?」

「……」

正直、愛莉が何を言っているのかよくわからず、僕は曖昧に頷く。そうこうしている間に、僕たちは店に到着した。

しかし金曜夜のせいか店内は結構混んでおり、カラオケを楽しんでいる先客たちもいる。

「ごめんね、うるさい?この店で大丈夫?」

ガヤガヤとしているうえにカラオケを歌っている人たちの声で、会話が少し聞き取りづらい。嫌だったら、店を変えようと思った。

しかし愛莉は首を横に振る。

「ううん、大丈夫だよ」

「本当に?じゃあいっか。愛莉ちゃん歌う人?ここ、お客さんだったら誰でも歌っていいから」

「私は大丈夫。翔くんは?何か歌う?」

「そうだな…歌おうかな」

こうして、飲みながら歌いながら、楽しいデートになった。

「翔くん、歌上手だね」

そう言いながら、ニコニコと盛り上げてくれた愛莉は終始ご機嫌だった。気がつけば24時半を過ぎてしまい、一応終電のお伺いも立てた。

「愛莉ちゃん、時間は大丈夫?」

「本当だ…。どちらにせよ、もう電車もないし、タクシーで帰るしかないから大丈夫だよ」

こう言われ、僕は一瞬考える。

― これって、今日は遅くまでいられるってこと?プラスの意味だよな?

もちろん、初デートで家に誘うなんてことはしない。少し遅くなってしまったものの、結局24時半に僕たちは恵比寿の駅前のタクシー乗り場で解散となった。

タクシーに乗り込む愛莉に、僕は慌てて問いかける。

「愛莉ちゃん、また会える?」

「うん、会いたい♡」

そう言って、タクシーは走り出した。

振り返っても、デート中に別に僕は変なことはしていないはず。それなのに、どうして愛莉はこのデート以降冷たくなってしまったのだろうか…。



▶前回:「あの話題はNG!」アプリで出会って初デート。踏み込んだ話はどこまでOK?

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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男がデート中に犯していたミスの数は?