資産運用に関する知識ゼロから“億り人”となったタレントの杉原杏璃氏は、投資初心者が資産運用を始めるのであれば「投資信託」がおすすめだと断言します。杉原氏はいったいなぜ投資信託にそこまでの信頼を寄せているのか、杉原氏の著書『マンガでよくわかる資産運用1年生 億り人杉原杏璃と一緒に』(かんき出版)より詳しくみていきましょう。
投資信託なら個人では難しい“分散投資”が可能に
少額資金でさまざまな資産に分散投資できるのは、投資信託の魅力の1つです。
投資信託を購入した資金が1万円だとしても、その投資信託を買った大勢の人たちの合計金額が100億円になれば、さまざまな資産をその投資信託に組み入れることができます。
最近は国内株式、外国株式、国内債券、外国債券、国内REIT、外国REITなど、国内外のさまざまな資産に分散投資するタイプの投資信託も登場しています。
このように、異なる国や地域、異なる資産クラスに少しずつお金を分散させて投資することを「分散投資」といいます。
分散投資は、投資できる資金が少ないとできません。
株価1,000円の株式に最低取引単位の100株で投資しようと思ったら、10万円が必要ですし、債券も個人向けに発行されているものだと50万円くらい必要です。そうなると、10万円や20万円から投資を始める人は、分散投資ができないのです。
なぜ、分散投資をする必要があるのかというと、少しでも安全に運用するためです。
株式にしても債券にしても、常に価格が変動しています。債券は元本保証と思っている人も多いと思いますが、実はそれは償還まで保有した場合の話です。
債券は株式と同じように、債券市場というマーケットで、償還日以前に売却して換金できるのですが、その時は債券市場に参加している投資家の買いと売りのバランスによって債券価格が上下します。結果、購入した時の債券価格に比べて、売却する時の債券価格が値下がりしたら、損失を被ることになるのです。
とはいえ、債券の値動きは株価のそれに比べると穏やかなので、株式と債券を一緒に保有すると、保有資産全体の価格変動リスクが軽減されます。
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株式と債券の動きは「反比例」することも
また、債券の値動きは株価のそれと逆に動くケースが見られます。
つまり株価が下落した時には、債券価格が値上がりする傾向が多いのです。そうなると、株価の下落によって生じた損失を、債券価格の値上がりで減らせる可能性が高まります。これが分散投資効果です。
分散投資効果を高めるためには、さまざまな国や地域、それぞれの株式、債券、それら以外の資産に、投資資金を分散させることが肝心です。
保有資産を分散させることによって、ポートフォリオ全体の価格変動リスクが軽減されるのです。
ただ、個人が自分のポートフォリオで分散投資をしようとした場合、2つの問題に直面します。1つは多額の資金を必要とすること、そしてもう1つは、どの資産にどのくらいのお金を投じれば良いのかという点に正解がないことです。
そもそも、どの資産とどの資産を組み合わせれば分散投資効果が高まるのか、同一の資産クラスの中にもさまざまな銘柄があるので、その組み合わせをどうすれば良いのか、といった点を突き詰めて考えると、組み合わせは無限にあります。
その無限にある組み合わせの比率を、自分が許容できるリスクのレベル、期待しているリターンの水準などを考慮しながら決めるのは、一個人では至難の業です。だからこそ、投資信託を運用するプロの手を借りるのです。
投資信託にもさまざまな種類があります。
日本株だけに投資するもの、米国株だけに投資するもの、世界中の株式に投資するもの、世界中の債券に投資するもの、それらをすべて組み合わせたものなど。
分散投資効果を高めた運用をしたいのであれば、国内外のさまざまな資産に分散するタイプの投資信託を選ぶと良いでしょう。
何しろ、日本国内で運用されている投資信託の本数は約6,000本にもなります。この選択肢の幅広さが、投資信託の魅力であるのと同時に、難しさでもあるのです。
杉原杏璃
投資家