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●朝一で行ってもすぐ席が埋まる谷根千エリアの人気店『カヤバ珈琲』に「たまごサンド」を食べに行ってきた。
モーニング巡りが趣味の筆者が、谷根千界隈に勤める家族からモーニング好きが知らなきゃモグリだと教えられたのが『カヤバ珈琲』の「たまごサンド」です。
行ってみればメニューは1日を通してどの時間でも食べられ、絶品とはこのことと納得してしまう味わい。建築好きにもたまらない素敵な喫茶でした。
角地にあり道が狭く並べないため、席の事前予約がおすすめ
『カヤバ珈琲』は千代田線根津駅やJRと京成線の日暮里駅から、谷中の方に歩いて約10分ほどの場所にあります。谷根千散歩をしていると、雰囲気のある和洋折衷の木造建物が一際、目に付きます。街に馴染みながら存在感を放つ黄色い看板の2階建て、それが『カヤバ珈琲』です。
昭和13年創業の歴史ある喫茶店でしたが、店主が亡くなったため一旦店を閉じます。その後、店を愛する地域の方々の支援があり、当時からの建物の良さとメニューを残し、建築家・永山裕子さんの新たなデザインを加え、平成21年に再オープンしました。
外観や内装に歴史を感じながら、名物を味わうひととき
店内撮影は許可を得て無人の時に。今は永山さんのデザインそのままが残っているわけではない
お店の1階は、シックで落ち着いたダークカラーが基調のテーブル席。窓や扉のガラスから降り注ぐ明るい日差しとのコントラストが綺麗です。
2階へは靴を脱いで階段を上がる
2階へ上がれば、どこか懐かしいほっこりした、田舎の祖父母の家を思いだすような和室の空間が広がっています。
建物についてお店の方に伺うと、「古い建物を守っていくことで、建物が古き良きものとして残り、お客様が建物や店内に感動してくれて良かった」とのこと。一方、建物は大正時代のもののため、断熱性がないので冬は寒く、夏は暑いのだとか。長年の汚れを綺麗にしたり、常に壊れたところの修繕・補修もあるそうです。お店を取り巻く人々の尽力のおかげで、趣のある佇まいが現代まで残ってくれていることを実感させられます。
食べたら虜になる「たまごサンド」とは?
1300円。器は美濃焼きを使用
建物の素晴らしさ以外に人を惹きつけるのが、名物の「たまごサンド」です。注文してから作ってくれるので、あたたかい出来立てがやってきました。添えられているのは、人参の甘さが際立つキャロットラペ、酸味のあるドレッシングのグリーンサラダ。あたたかなスープにはわかめと玉ねぎに白ごまが浮かびます。
出来立てのサンドはふわふわもちもち、たまごもアツアツ
ぷりぷりふわふわのたまごが口の中でとろけ、ソースのディルマヨが染みたパンはふわふわで耳がカリカリ。ディルマヨは、コクがありながらもディルの爽やかさがアクセントになるように、マヨネーズとディルに企業秘密の隠し味がプラスされているそうです。
パンは、蔵前にあるグローサリーショップ『Marked(マークト)』のパンを使用しています。レーズン酵母の酸味と甘味のあるパンのもちもち食感を堪能できるように焼いているのが、こだわりのポイント。
バランス良くこだわりが詰まった一皿に、お腹も心も大満足です。
もう1つの名物「ルシアン」
630円 [食楽web]
カヤバ名物といえば、「ルシアン」を忘れてはなりません。ドリップコーヒーにチョコとミルクで作られたココアを混ぜた飲み物。甘さと苦さの絶妙なバランスで飲みやすく、とても好きになりました。全体が調和して味わえるようにチョコ、ミルク、コーヒーのバランスを考えて配合しているそうです。
ルシアンを飲みながら、カップとソーサーにも注目してください。ソーサーだけが金縁なのがわかります。ソーサーについてお店の方にエピソードを教えていただきました。
「ルシアン」は元々は小さめのカップを使用していましたが、数が減ってしまい、違うカップに変更になりました。ただ、金縁のソーサーだけでも昔ながらのものを使いたいとそのまま使用されているそう。カップとソーサーひとつとっても、お店のこだわりや想いが詰まっています。
調査結果
店前の看板
どこか懐かしい店に入れば、気さくな店員さんが出してくれるサンドや飲み物のあたたかさに力が抜けてほっとひと息。80年以上前から谷中で愛され続けてきた喫茶店は、今も現代人の憩いの場として活躍し続けています。
(撮影・文◎乃々)
●SHOP INFO
店名:カヤバ珈琲
住:東京都台東区谷中6-1-29
営:8:00~18:00(フードL.O.17:00、ドリンク・デザートL.O.17:30)
休:月曜(祝日は営業・火曜振替)
https://www.instagram.com/kayabacoffee/