過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2019年2月25日 記事は取材時の状況) * * *
浮気のきっかけは突然やってくる。自分の愛するパートナーが、まさかそんなことをするはずがない……と思っていても、無情にも寝取られてしまうこともある。結婚7年目を迎える原田義之さん(仮名・35歳)は、浮気した妻と離婚するべきか悩んでいる最中だという。一体、なにがあったのか?
◆妻の行動を変えた、あの日のバーベキュー
原田さんは大勢でワイワイ飲むことが大好きで、定期的に知り合いを誘ってはバーベキューやホームパーティーを開いていた。原田さんの妻であるS美さん(仮名・30歳)は物静かな性格で、ひとりでいることを好むタイプだったが、彼に合わせてくれていたという。
「妻は文句も言わず、いつも僕に付き合ってくれていましたね」
昨年の夏も、原田さんは知人15名程で都内の公園に集合し、バーベキューをしていた。それがきっかけで一大事に発展するとも知らず……。
「盛り上がっている最中、いつのまにかビールが無くなっていたみたいで、気がついたらS美が近くのコンビニまで買い出しに行ってくれていたみたいなんですよ」
S美さんがたまたま同じテーブルで飲んでいた人たちと手分けして、フルーツやアイスなどデザートをいっぱい買ってきてみんなを喜ばせたそう。
その日は、かなり酔ってしまい下戸の妻の運転で帰ったという原田さん。
「車中で、めずらしくS美が『今日は楽しかったなぁ』と言ってくれて、妙にうれしかったんですよね。S美は普段、そんなに笑ったりする感じではないのですが、積極的に楽しんで欲しいってずっと思っていたので」
だが、それから2週間後にまたバーベキューを企画すると……S美さんは「どうしても実家に戻らないといけない用事がある」と言い出し、ひとりで出かけてしまったそうだ。
「それは仕方ないですが、なぜかそれから僕が企画する集まりにまったく参加してくれなくなってしまったんですよ」
◆S美さんの様子に変化が…
その頃からS美さんの様子に変化が現れた。
「以前は、まるで僕の行動に無関心だったのに、今夜は何時に帰ってくるの? どこで飲んでくるの? など、細かく聞いてくるようになったんですよ」
ある時、昼間に偶然家の近くを通ったので寄ってみると、S美さんは不在だったという。めずらしいなと思い、その晩そのことをたずねてみると「連絡してから帰ってきてよ」と不機嫌になったという。
「そのときは正直、彼女の行動や不機嫌になる意味が分からなかったです」
◆友人から浮気の証拠写真が届く…
バーベキューから数か月後。季節は冬になり、寒さの厳しいある日のことだ。原田さんのもとに友人から「これ、奥さんじゃないの?」というLINEが届く。
「若い男性のコートのポケットに一緒に手を入れながら笑顔で歩くS美の写真が送られてきて……ビックリし過ぎて、しばらく状況が飲み込めませんでしたね」
友人は、自撮りのフリをしながら2人の写真をたくさん撮り、「浮気の証拠にしろ」と言ってきたそう。
「僕は、そんなことよりも……S美の笑顔が、今までに見たことがないぐらい幸せそうだったのがショックで。心に重くのしかかりました。怒りよりも虚しさの感情が大きかったです。しばらくはその写真を見るのも嫌で、現実から逃げていましたが、1週間後ようやく写真を見せながらS美に『これって浮気してるってこと?』と確認してみると……あっさり認めたんですよ。正直、もっと動揺したり、ごまかしたりするのかと思ったのですが」
妻の話を聞いてみると、相手の男性は夏のバーベキューで知り合った大学生(知り合い夫婦の妻の弟)で、一緒に買い出しに行ったのがきっかけだったそう。
「まさか自分の企画したバーベキューでこんなことになるなんて、バカみたいですね。しかも今思えば兆候があったのにまったく気がつかなかったんですよ」
S美さんから「ごめんなさい、もう別れるから許して下さい」と謝罪を受けたが、原田さんの心には壁ができてしまったそうで……。
◆離婚をするべきか…
「僕も許してあげたいし、離婚もしたくないんですけど……もう、S美をあんなふうに笑顔にさせられる自信がないんですよね。情けない話なんですが。それに裏切られたショックはそう簡単には癒えないですよ」
とはいえ、離婚をするべきかなかなか答えが出せず、2人は気まずい雰囲気のまま現在も一緒に暮らしているそう。まさか自分の趣味がきっかけで妻が浮気に走ってしまうなんて……皮肉としか言いようがない。
<取材・文・イラスト/鈴木詩子>