ベルルッティの限定ラインに新作。過ぎゆく時の美しさを捉えた「ラピエセ・ルプリゼ」

ベルルッティの限定ライン、ベルルッティ・エディションから、シューズやバッグに象徴的な手縫いのパッチをほどこしたコレクション「ラピエセ・ルプリゼ」が登場。時間の経過と男性のエレガンスを表現したアイテムは、いつもの着こなしに遊び心を加えてくれる。

「ラピエセ・ルプリゼ」は、2005年に当時のメゾンの当主であったオルガ・ベルルッティが、“大切な品物を修繕して使う”という意味の言葉から名付けたシューズコレクション。


ローファー ¥442,200

インスピレーションの源となったのは、上着を修繕後に自ら誇りを持って着用していた近世の貴族たち。オルガは、ベルルッティを代表するヴェネチアレザーのシューズに手の込んだパッチをほどこすことで、まるで長い間履かれ続けていたかのようにデザイン。かのアンディ・ウォーホルもこの奇抜さを楽しんでいた一人で、オルガに「右足にだけパッチを当てたいんだ。人に見えるように、あくまでアンディ・ウォーホルらしく!」と修理を依頼したという。

そんなメゾンのアーカイブに立ち返るとともに、新たなストーリーを刻む「ラピエセ・ルプリゼ」では、スリッポン、ローファー、オックスフォード、モンクストラップ、そしてショートブーツを展開。シューズのアッパーを横切るようにカーブを描くパッチは、その有無を選ぶことができ、さまざまに組み合わせることが可能だ。



ブリーフケース〈エミーオ〉 ¥891,000

またシューズのほかに、バッグや財布、カードケース、ベルトもラインアップ。これらの小物にもシューズと同様に手縫いのパッチがほどこされ、控えめでありつつもモダンな印象を残す。


ウォレット〈イタウバ〉¥288,200

革を手で折り込んで自然な曲線をつけ、専門の工具で穴を開けるという手間のかかる工程を経て出来上がるパッチ。素晴らしい靴職人の手仕事に、ぜひ注目したい。

text: Tomomi Suzuki

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