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●最新エッセイ集『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』発売! 後編では岩井さんの食についてのアレコレを聞いてみました!
小説新潮、BookBangの連載をまとめたエッセイ集『僕の人生には事件が起きない』『どうやら僕の日常生活はまちがっている』に続き、2024年7月31日に『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』(新潮社)が発売されました。エッセイ本は累計20万部を突破、ベストセラーとなっています。
前編ではエッセイの内容を中心に、岩井さんの日常生活のこだわりや、気になることをお聞きしました。後編では、岩井さんの食への向き合い方を中心にインタビューしました。
【前編】
最新エッセイ集も売行き好調! ハライチ岩井さんに聞く、食べることへこだわりと向き合い方【前編】
意外に大食漢!? 岩井さんの食事情とは
最新エッセイと岩井さん
――ではここからは岩井さんの食についてお聞きします。ズバリ、1日何食ごはん食べますか?
4回は食ってるかも……。
――多いですね! ちょっとずつ分けて食べてるとか?
いや、爆食です。昨日も朝にぶどうパン3つ食って、昼は弁当、帰って夜ご飯食べて、そのあと蒸しパン食いましたからね。
――結婚されてから食生活は変わりましたか?
もともと自炊してたんで、そこまで変わんないですけど、あえて言えば、和食が増えましたかね。昔、イタリアンレストランで働いてたんで、一人の時はイタリアン作ることが多かったんですよ。和食って、作るの時間かかるじゃないですか。出汁を取るとか下味つけるとか。イタリアンにはそういうのがないので、和食は自分であまり作らなかったんですけど、結婚してからは増えましたね。
――エッセイにも記述がありましたが、お一人での外食、特に居酒屋などはあまり行かないそうですね。映画館や美術館、買い物などは一人で行けるのに、外食はなぜ一人だとダメなんですか?
本当はそんなことないんでしょうけど、一人客には話しかけてあげないといけないって、店側に気を遣わせてる気がして。そうやって思われているのは嫌だなって。そう考えると、一人で居酒屋に入っても「早く出たいな」って思っちゃう。
だからと言って、別に放っておいてほしいと思ってるわけでもないんですよ。ただ、放っておいてあげようと思わせているのも嫌だし、話しかけてあげなきゃ、と思わせているのも嫌だし。疲れるんですよ。美術館なんかは絶対そんなことないから一人で行けるんですよね。
7月31日に発売された『この平坦な道を僕はまっすぐ歩けない』
――ポップコーンが好き、パクチーが嫌いと公言されていますが、好きな食べ物、嫌いな食べ物を教えてください。
めっちゃありますよ、嫌いな食べ物。西洋系のハーブはOKですけど、アジアの香草はダメですね。あとは漬物がダメですし、あと赤い食べ物も食べられません。
――赤い食べ物(笑)ですか? たまたまなんですかね。それとも赤いから嫌いとか?
トマト、梅干し、福神漬けとか。赤い食い物はほぼダメですね。もはや赤いから嫌いとまでなっているかもしれない。チョロギとかいちばん嫌ですね。赤くなってるのも気持ち悪いじゃないですか。
――色がついている漬物がダメなんですか?
意味わかんないんですよ、特に柴漬けとか。弁当に入っててご飯に色がついたりして、ムカつきますよね。ご飯ごと削ぎますからね。どういうつもりなんだろう。ご飯にゆかりが一面にかかってるのも終わってますね。
――昔、ゆかりが好きな人はマザコンだという噂がありました。
なんだその都市伝説(笑)
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食べることへのこだわりと飲食店に求めるものとは?
お決まりの手裏剣ポーズ
――旅先での飲食店はどう決めてるんですか?
国内では食べログです。海外では歩いて見つけて良さそうなところに入るという感じですね。
――海外では、なるべくその土地のものを食べるんですか?
いや、全然です。この間、ベトナムに行ってきたんですが、ピザ屋にずっと通ってましたし。バイキングがあったらバイキングに行っていますね。
――食べ物にこだわりがありそうな一方で、まったくこだわりがない感じも同居してるんですね。
食べ物に対して、こだわってはいないんですよね。割と量が食べられて、イヤな思いをしなければ良い。「あの店のコレが食べたい」とか、「俺はこの料理を食べるために頑張っている」とか、そういう欲がまるでなくて。
例えば、美味しそうなパスタがあるとしますよね。それを横から誰かに取られて食べられちゃっても別にいいんですよ。「ちょうだい」と言われれば、全然あげちゃいますし。ただ、その分量のものは欲しいけど(笑)。さっきもお話したように、総合点で70点くらいあれば満足できるんですよね。
自炊する岩井さんのおすすめレシピとは?
――エッセイにも出てきますが、ご自身で料理されますよね。これまで作って美味しかったもの、その料理のポイントなどあれば教えてください。
最近は、冷や汁を作っていますね。アジをちょい焦がし気味に焼いて、皮もちょっと入れてすり鉢で擦って、それを味噌で練ってタッパーに入れて冷凍しておくんですよ。解凍して氷と豆腐、きゅうりを入れて。それをご飯にかけて食べてます。ベースさえ作って冷凍しとけばいいのがイイですね。なんなら、氷とか入れなくても、そのベースを白いご飯に塗って食べるだけでもウマいですね。
――岩井さんはごま油好きで有名ですが、ごま油を使ったオススメの簡単料理などあれば教えてください。
鶏のささみを茹でてほぐして、長ネギを薄切りにして、桃屋のザーサイとごま油と塩で和えたもの。ウマいです。これはたまに作りますね。
「鶏ささみとザーサイのごま油和え」イメージ[食楽web]
――少し前にドレッシングにハマったそうですね。岩井さんのイチオシのドレッシングはありますか?
地元・埼玉のレストラン『るーぱん』のアンチョビドレッシングは好きですね。でも結局、キユーピーの「すりおろしオニオンドレッシング」が一番かも。
もはや都市伝説!?見つからない思い出のアイス
知っていたら情報をください!「ドラえもんのプルンプルンアイス」
岩井さんは少し前から、高校生の時に食べていたという「ドラえもんのプルンプルンアイス」なるアイスを探しているそう。形状は棒アイス、溶けてくるとゼリー状になるもので、パッケージはドラえもんだったとのこと。ラジオ「ハライチのターン!」やMCを務める昼の情報番組「ぽかぽか」で呼びかけるも一切見つからないという、ハライチファンの間でも有名な謎のアイスです。
――ドラえもんのプルンプルンアイスは見つかりましたか? 食楽webでも呼びかけますか?
見つかんないですね。食楽webでもぜひ呼びかけて欲しいです。
――本当にドラえもんですか? うまい棒のキャラ「うまえもん」だったり?
いや、ないですね。みんな「ドラえもんのプルンプルンアイス」と呼んでいたし、そもそも「プルンプルンアイス」って名前じゃなくて「溶けないアイス」という名前なんです。でも、俺たちは「ドラえもんのプルンプルンアイス」と呼んでいたんで、絶対にドラえもんなんですよ。
――なるほど、間違いないようですね。
Yahoo!知恵袋にも同じアイスを探してる人がいるんですが、そこでも僕がラジオで言う前の日付で、「ドラえもん」と書かれてる。この記憶は正しいはずなんですよ。もしかしたら、ドラミちゃんだったのかな……。
――これだけ探しても見つからないのも不思議ですね。
そうなんですよ。これ、すごいことだと思うんですよ。これだけネット社会が発達して集合知がたくさんあるのに、何一つアーカイブに残ってない。これはある種のミステリーなんです。一度きちんと調査したほうが良いのかもしれません。
――今日はありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
まとめ
新潮社屋上でパシャリ
日頃、自分が少々の疑問を感じモヤモヤとしながらも流していたことも、岩井さんのエッセイを読むと、「いや、流さずにいちいち追求して行こうぜ! 」と背中を押してくれるような気がします。みなさんにもぜひ手に取ってほしい一冊です。
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●著者プロフィール
矢巻美穂(やまき・みほ)
国内外の旅行雑誌を中心に活動するカメラマンで、撮影から執筆・編集作業まで行う。単著としてネパール、台湾、ウズベキスタン、韓国、ウラジオストクなどのフォトガイドブックを執筆。近著は『東京で台湾さんぽ』(イカロス出版)。また、YouTubeで「旅ちゃんねる MinMin Tour」をオープン。これまで取材に行って、本当に美味しかった店や行ってよかった人気スポットを紹介。