花毎の花言葉・桜「希望」
一般的な桜の花言葉は「精神の美」「よい教育」「優美な女性」、フランスでは「私を忘れないで」、ドイツでは「真実の心を捧げる」などがあります。
「精神の美」や「よい教育」はアメリカ初代大統領のワシントンが子どもの頃、遊んでいる内に切り落としてしまった桜の木を正直に父親に伝えたことに由来し、フランスやドイツでの花言葉は、花は美しいのに、実は酸っぱいことに由来するとも考えらえています。
無数の花がある中で、日本での桜の存在は特別なものです。桜の開花状況がニュースになり、蕾から満開、そして散った花弁までも愛でるなど、もっとも多くのひとに愛されている花といえるのかもしれません。
朝夕に 花待つころは 思ひ寝の 夢のうちにぞ 咲きはじめける (崇徳院)
〈ずっと花を待っていたら夢の中で咲き始めた〉という、平安時代後期に詠まれた和歌ですが、何かを待ち望む気持ちは古来から変わらないようです。
そこで、桜には「希望」という花言葉を選びました。春に桜がなかったら、春はそれほど待ち遠しい季節ではなかったのかもしれません。
文・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子
水上多摩江
イラストレーター。
東京イラストレーターズソサエティ会員。書籍や雑誌の装画を多数手掛ける。主な装画作品:江國香織著「薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木」集英社、角田光代著「八日目の蝉」中央公論新社、群ようこ「猫と昼寝」角川春樹事務所、東野圭吾「ナミヤ雑貨店の奇跡」角川書店など