謎だらけのデンマーク人

では、デンマーク人はいったいどんな働き方をしているのか。なぜ午後4時に帰宅しても、仕事で成果を出せるのか。

デンマーク文化研究家として、13年以上にわたって日本のメディア向けに現地情報を発信し続けてきた筆者にとっても、本書の執筆は格別なものになった。執筆にあたり、20人を超えるデンマーク人のビジネスパーソンに時間をかけて丁寧に話を聞いた。

その内容は刺激的かつパワフルなものばかり。語られる言葉の端々には、日本人のみならず全世界のビジネスパーソンにとって参考になる働き方と生き方のヒントがちりばめられていた。2年連続で国際競争力ナンバーワンに輝いたデンマーク人は、どんな働き方をしているのか。その働き方は、どんなキャリア観や人生観に支えられているのか。それを明らかにしていくのが、本連載の目的である。

針貝 有佳

デンマーク文化研究家

デンマーク在住。1982年生まれ。早稲田大学大学院社会科学研究科にてデンマークの労働市場政策「フレキシキュリティ・モデル」を研究して修士号取得。2009年末にデンマーク移住後、13年以上にわたってテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・ウェブ等からデンマークの現地情報を発信。社会学的アプローチで社会を観察し、デンマーク語で現地の第一次情報にアクセスし、情報・世論・市民の声を届ける。執筆記事は400本以上、企業向けのレポート制作は300事例を超える。