医療保険の特約とは?必要性や特約の種類を解説

医療保険は特約を付加することで保障を充実できる点が魅力です。

しかし、特約の種類は多岐にわたるため、どれが自分に合っているのかわからず悩んでいる方もいるでしょう。

今回の記事では、医療保険に付加できる特約の種類や選び方を詳しく解説します。

医療保険の特約とは?

医療保険の特約とは、主契約の保障を充実させるために付加する保障です。

医療保険はそれだけで保険契約として成立する「主契約」とオプションとなる「特約」で構成されています。

例えば、一般的な医療保険であれば、病気やケガをした際に受け取れる入院給付金や手術給付金などが主契約で、がんの治療費をカバーする保障や通院費用の保障が特約にあたります。

主契約と特約を組み合わせることで、幅広いリスクをカバーしたり、特定のリスクに対して手厚く備えられるようになるでしょう。

また、特約はあくまでもオプションであるため付加しないことも可能です。

ただし、保険のベースと主契約なしで特約のみを契約することはできません。

特約を付加する際の注意点

特約を付加する際には、以下の4つの点に注意しましょう。

特約を付加する際の4つの注意点

主契約を解約し、特約のみを残すことができない

商品によっては特約をあとから追加(付加)できる

特約の追加には健康状態の告知が必要となる場合がある

契約時にしか付加できない特約がある

1. 主契約を解約し、特約のみを残すことができない

医療保険の特約は、基本的に外す(特約解約)ことが可能です。

ただし、主契約がメインであるため、主契約のみを解約して特約だけを残すことはできません。

2. 商品によっては特約をあとから追加(付加)できる

一部の商品では、保険加入後に特約を追加することが可能です。

ただし、特約の保険料は追加するときの年齢に基づいて計算されるため、年齢が高くなればなるほど保険料負担が増える可能性があります。

3. 特約の追加には健康状態の告知が必要となる場合がある

特約の追加時には、健康状態の告知が必要となる場合があり、健康状態によっては追加できない可能性もあります。

4. 契約時にしか付加できない特約がある

一部の特約では、契約時にしか付加できない場合があるため、契約前に商品内容を確認しましょう。

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医療保険の特約種類

医療保険に付加できる主な特約は以下の通りです。

医療保険に付加できる主な特約

先進医療特約・患者申出療養特約

がん診断一時金特約

三大疾病一時金特約

女性疾病特約

通院特約

入院一時金特約

保険料払込免除特約

終身特約

それぞれの特徴を詳しく確認していきましょう。

なお、特約の保障内容や給付条件は保険会社や保険商品によって異なる場合があります。

具体的な商品を検討する際は、各保険会社のホームページや商品パンフレットなどを確認してください。

先進医療特約・患者申出療養特約

先進医療特約」とは?
「先進医療(厚生労働大臣が承認した先進性の高い医療技術)」を受けた場合に、先進医療にかかった技術料の相当額を保障する特約。

「患者申出療養特約」とは?
国の未承認薬や対象外となっている治療を受けたいといった患者からの申出をもとに、主治医と中核病院が連携して対応を検討、そして国の会議で審査され、保険外併用療養として治療を受けることができるようになる制度のことを患者申出療養制度という。
この制度で行われた療養に対して給付金が支払われる特約のことを患者申出療養特約という。

先進医療と患者申出療養は、どちらも公的医療保険の適用外となる治療が含まれるため、自己負担額が高額になりがちです。

しかし、特約を付加しておけば、月数百円程度の負担で数十万円〜数百万円の高額な治療費に備えられます。

がん診断一時金特約

がん診断一時金特約とは、医師からがんと診断された場合にまとまった給付金を受け取れる特約です。

がん治療は入院だけではなく、通院しながらの抗がん剤治療や放射線治療が行われることも多くなってきています。

また、がんの罹患後はこれまで通りに働くことができず、収入が減少するケースも少なくありません。

がん診断一時金特約は入院給付金だけではカバーしきれない治療費や、収入減少をカバーする際に役立つ特約です。

商品によって、保険期間を通じて1回のみ給付金を受け取れるタイプと、複数回給付金を受け取れるタイプがあります。

三大疾病一時金特約

三大疾病特約とは、がん・脳血管疾患・心疾患で治療が必要になった場合に、まとまった給付金が支払われる特約です。

三大疾病は生死に直結する可能性があるため、罹患した場合は長期の治療が必要になることもあります。

また、これまで通りに働けなくなり家計に大きな影響を与えることもあるため、経済的な負担に備えておきたい方は検討しておきましょう。

診断されて治療を開始しただけで給付金を受け取れる場合もあれば、30日や60日程度の入院が継続してからでないと給付金を受け取れない商品もあります。

細かい給付条件は保険会社によって異なるため、注意が必要です。

三大疾病について詳しくは以下の関連記事をご覧ください。

三大疾病保険は入るべき?必要性をわかりやすく解説

女性疾病特約

女性疾病特約とは、卵巣がんや子宮筋腫など女性特有の病気で入院や手術をした際に給付金を受け取れる特約です。

主契約の入院・手術給付金に上乗せで給付金が支払われる商品や、まとまった一時金が支払われる商品などがあります。

妊娠や出産に関するトラブル(異常分娩)に対しても保障対象となりますが、正常分娩による入院・出産については給付対象外となるケースが一般的です。

女性保険は入るべき?リスクや必要性、医療保険との違いをわかりやすく解説

通院特約

通院特約とは、病気やケガの治療を目的として通院した場合に、通院した日数に応じて給付金が支払われる特約です。

厚生労働省の「令和2年患者調査」によると、平均入院日数は30年間で10日以上も短くなっており、令和2年時点では32.3日です。

入院は短期間でも通院治療が長期化するケースは少なくありません。

通院時にかかる医療費や交通費などの経済的な負担に備えたい場合は、通院特約の付加を検討しましょう。

ただし、給付日数には条件が設けられているケースが一般的です。

また、入院を伴わない通院については保障対象外となることが多いため、注意しましょう。

通院保障はいらない?がん保険・医療保険で変わる必要性をわかりやすく解説します

入院一時金特約

入院一時金特約とは、入院したときにまとまった給付金が支払われる特約です。

前述のとおり、入院日数は短期化の傾向があります。

しかし、入院が短いからといって自己負担が発生しないわけではありません。

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、直近入院時の自己負担費用の平均は19.8万円です。

入院日数が短い場合、受け取れる入院給付金はかなり少なくなる可能性があります。

一方、入院一時金は入院日数に関係なく一定額が支払われるため、入院時の経済的な負担に備えることが可能です。

入院費用はいくらかかる?1日・1週間あたりの平均額や相場、負担を抑える方法を解説

保険料払込免除特約

保険料払込免除特約とは、被保険者が所定の状態になった場合に以降の保険料の支払いが免除される特約です。

適用条件としては、高度障害状態、がん、心筋梗塞、脳卒中などが一般的です。

特約が適用されると、保障内容は継続されたまま、保険料の支払いが免除となります。

適用条件は保険商品によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

終身特約

終身特約とは、医療保険に死亡保障を追加できる特約です。

一生涯にわたって保障を受けることができるため、死亡整理金や相続の資金に備えられます。