仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。
どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。
◆借金のお願いを断るとき
金欠の友人から「給料日には返すから、お金を貸してほしい」と頼まれた。貸せなくはない額だが、ホンネを言えば貸したくはない……。しかし、ヘタに断ると関係性にヒビが入る可能性も。うまく断るにはどう返せばいいのか?
×友達でも、お金の貸し借りはしたくない
○おばあちゃんの遺言で、お金は貸せない
◆あからさまに面倒くさそうな、リアクションを取りましょう
「少しお金を貸してくれない?」
誰もが一度くらいは言われたことがあると思います。「お金を貸すときは返ってこないと思って貸せ」とか「相手との関係を壊したくないならお金は貸すな」とか言われますが、「一生のお願いだから!」などと言われると、イヤだと思いつつも断り方に悩みますよね。
そもそも、本当に生活に困窮している相手を助けたいなら、一時的にお金を貸すのは間違いでしかありません。普段の生活費すら足りないのは生活パターンがすでに相当ヤバくて、貯金がないという状態。一時的にお金を得ても返せるはずもないので、結局なんの解決にもなりません。「生活のためにお金を貸して」と言われたら、あげるつもりで渡すしかないです。
では、「急な出費で一時的にお金が必要で、給料日には返せるから貸してくれ」というパターンだったらどう断るか? そのときはあからさまに面倒くさそうなリアクションを取るのがいいと思います。貸さない理由は「おばあちゃんの遺言で、友達にお金を貸すなと言われた」とか、冗談っぽく聞こえるものでいい。一瞬、イヤな顔をされるかもしれませんが、相手も関係を壊したくないと思っているなら納得するはずだし、最後は笑い話にもなるはずですよね。
◆返済されない場合はどうする?
一方、すでにお金を貸しているけど返済されない場合はどうするか。強く催促すると関係性にヒビが入りそうなので、「貸したお金のこと覚えている?」などと探る人が多いかと思いますが、回りくどいし嫌みに聞こえたりもします。
そんなときは、催促しなければいけないくらい自分も困窮していることを説明しましょう。それで「自分も助けてもらったから」と、返してくれるのなら解決です。
問題は逆ギレしてくる人の場合です。そういう人は、単純に催促に対してキレているだけではなく、「返済したいけどできない自分の状況を否定したい」という、自分に対するネガティブ感情も含めて逆ギレしているわけです。いつか必ず揉めごとになるので、距離を置いたり縁を切ったほうがいい。お金を貸さなかったら逆ギレしてくるような人も同じです。
◆もしお金を借りるならなんと言う?
最後に、もしお金を借りるならなんと言うか? 僕なら言葉だけではなく、返済期日と返済が遅れた場合の利息を書き込んだ借用書を作ります。借用書は法的な根拠になるので、最終的に差し押さえもできますし。まあ、貸主は借り主に資産があるという事実を示すことができれば、の話ですが……。
構成/杉原光徳(ミドルマン)
―[賢い人が自然とやっているズルい言いまわし]―
【ひろゆき】
西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』