ランタナは和名で「七変化」といい、つぼみを開いて咲き進むとともに、花色が変化していくのが特徴です。常緑性の低木で開花期が長く、初夏から晩秋まで咲き続けてガーデンを豊かに彩ってくれます。病害虫の心配がほとんどなく育てやすいのも魅力! そんなランタナの育て方はもちろん、特性、花言葉、増やし方や似ている花との見分け方など、多岐にわたってご紹介します。
ランタナの基本情報
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植物名:ランタナ
学名:Lantana camara
英名:Lantana
和名:七変化(しちへんげ)
別名:ランタナ・カマラ
科名:クマツヅラ科
属名:シチヘンゲ属(ランタナ属)
原産地:メキシコ、熱帯アメリカ
分類:常緑性低木
ランタナは、クマツヅラ科シチヘンゲ属(ランタナ属)、立ち性~半つる性の常緑性低木。原産地はメキシコから熱帯アメリカにかけての地域で、近縁の種との交配種も含めてランタナといわれます。
日本における歴史としては、江戸時代末期に園芸植物として渡来したことが始まりです。繁殖形態は虫媒花であり、核果(種子)は風雨や鳥などの動物によって遠方に運ばれます。
ランタナの仲間は世界の熱帯から亜熱帯地域に約110種が広く分布します。多くの種類は、アメリカの熱帯から亜熱帯地域が原産地です。花の美しい種類もありますが、日本で一般に流通するのは匍匐性で花や葉が小さいコバノランタナだけです。
熱帯地域原産の植物の中でも、夏の暑さに特に強いのが特徴。真夏でも次から次へと開花し、庭を明るく彩る樹木です。一方で、冬の寒さには強くなく、-3~-5℃以下になる地域では、地植えでの越冬は厳しくなります。寒冷地では鉢栽培にして楽しむのがおすすめ。春先に地植えして開花を楽しみ、晩秋に鉢に植え替えて凍結しない暖かい場所に移動するという具合に、地植えと鉢上げを繰り返して一年を過ごしてもよいでしょう。
ランタナのライフサイクルは、以下の通りです。4月頃から新芽を出して枝葉を広げ、5〜10月まで開花。追肥を繰り返すと樹勢を保って絶えず花を咲かせ続け、長い期間開花を楽しめるのが、ランタナの魅力です。種類や品種によっては花がらを摘まずにそのままにしておくと、深い紺色の実になります。11月頃になると生育が止まるので、切り戻して冬支度をし、翌年に新芽が出るのを待ちます。
冬も温暖な地域では常緑性ですが、日本の厳しい冬の寒さに当たると落葉し、枝も枯れます。ただし、枯れてしまったと判断するのは早計です。軽い霜に当たる程度なら根元付近の幹が生き残り、4~5月の成育期を迎えると、また芽吹いてくることがあります。
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ランタナの花や葉の特徴・開花時期
園芸分類:庭木
開花時期:5〜10月
樹高:30〜200cm
耐寒性:やや弱い
耐暑性:強い
花色:オレンジ、黄色、赤、ピンク、白、複色
ランタナの開花時期は、5〜10月です。真夏に中休みをすることなく、絶え間なく咲き続けてくれます。花色は、オレンジ、黄色、赤、ピンク(赤紫)、白など大変多彩で、複色のものが多いです。品種によっては、花が咲き進むにしたがって黄色からオレンジに変わるもの、クリーム色からピンクに変化するものなどがあります。また、花が咲かない時期も庭を彩ってくれる、斑入り葉をもつ品種もあります。
ランタナの花は一つひとつは小さいのですが、花茎を伸ばした先に集まって、直径2〜3cmの球状になります。次から次へとつぼみを上げてくる多花性で、夏の季節にはたっぷりと咲く姿がガーデンの主役となるでしょう。
ランタナの樹高は30〜200cm。樹高の幅が広い理由は、人の背丈くらいまで高くなる立ち性タイプ、枝が地を這うようによく伸びる匍匐性タイプ、低い位置で比較的まとまって鉢栽培にも向くコンパクトタイプがあるからです。
ランタナの種類や品種によって樹形が異なるので、花壇の後方または前方に使いたいのか、鉢栽培にしたいのかなど、ガーデニングの用途やデザインによって選ぶとよいでしょう。