子供に「勉強をしないと将来自分が困るぞ!」はNG。ひろゆきが考える“ズルい”言いまわし

仕事やプライベートで「なぜかうまくいく人」は、どんな言葉を使っているのか? 実は賢い人ほど、相手から期待通りのリアクションを引きだす「ズルくてうまい言いまわし」を日頃から駆使している。

どんな言葉を使えば物事がスムーズに進むのか? 様々なシチュエーションごとに「ダメな言い方」「うまい言い方」を解説した、ひろゆき氏の新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』から、テクニックの一部を紹介しよう。

◆子供にちゃんと勉強をさせたい

家に帰ると、宿題をしようとしない子供と奥さんのバトルが勃発中。「あなたからもなんか言ってよ!」と奥さんに詰め寄られるも、最近小学生になった我が子はマセて言うことを聞かない。ちゃんと勉強する必要性を説き、父親の威厳を保つには、どう言えばいいのか。

× 勉強をしないと将来自分が困るぞ!

◎ 1か月頑張ったら、ご褒美が貰えるぞ!

◆子供も大人も、本人が嫌いなことには聞く耳を持ちません

 人にはそれぞれ、「面倒くさい」「嫌い」といった理由でやりたくないことがあります。誰かに「やらなきゃいけない」と言われても、ほとんどの人は自ら率先してやろうとしません。僕も洗い物とか掃除とかは、できればやりたくないです。でも、やらないと衛生的に問題が出るという実害もあるので仕方なくやっていたりします。

 子供はよく「勉強をやりたくない」と言いますよね。そりゃ、漢字の書き順を覚える必要性なんて大人でもわからないし、子供に説明してやらせるのは難しいです。

「将来的に役立つから」と言われても、明日明後日にたいした実害がないのなら、「勉強をしなくてもいい」という気持ちになるのも無理はありません。

 だから子供が自発的に宿題を始めることは、ほぼありません。

 考えてみてください。大人でも「いつか役に立つかもしれないから、毎日30分間だけラトビア語の勉強をしてください」と言われて、何年も継続できる人は例外中の例外です。多くの大人はラトビア語の勉強どころか、生きているうちに使いそうな英語の勉強すらやりません。

 大人であれ子供であれ、本人が嫌いなことをいくらすすめたとしても聞く耳を持たないのです。もし動くとしたら、本人にとってメリットかデメリットがあるという理由しかないと思います。

◆「飴」か「鞭」か

 手段としてあるのは、「飴」か「鞭」かという物理的な側面からのアプローチになるのではないかと。それを言葉で伝えることができれば、動いてくれる要因に繫がると思うのですね。

 例えば、宿題をやらないという場合。鞭はめっちゃ怒られるとか、おやつ抜きになるとか、罰を与えるタイプの動機づけです。

◆ただ、気をつける点は…

 一方で飴は、毎日欠かさず宿題を1か月続けたら好きなものを買ってあげるかとか、1日ごとにシールをあげて溜まったらお小遣いをあげるというものです。この手段はわりと効率的です。

 人間はしょせん動物ですから、誰しもメリットとデメリットを考える傾向があります。「毎日30分ラトビア語の勉強をしたら1か月後に100万円貰える」なら、ちゃんとやる大人は大勢います。

 ただ、気をつける点は、鞭はデメリット回避のために動きがちになるので自主性が奪われやすいことです。メリットのため自主的に動かなくなると、長期的な成長を望めなくなるので、できれば上手に飴を駆使してください。

構成/杉原光徳(ミドルマン)

―[賢い人が自然とやっているズルい言いまわし]―

【ひろゆき】

西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』