「ラブホに同行してほしい」“何でも屋”の男性が受けた衝撃の依頼。女性がバスタオル1枚でベッドに横たわり…

 あらゆるニーズに応えてくれる“何でも屋”。最近では、実際の仕事ぶりをネットやSNSで公開することで仕事を募り、業績を上げているケースも目にします。今回は、そんな“何でも屋”が「ちょっとオイシイ仕事」と語ったケースを紹介します。

◆脱サラし軌道に乗り出した仕事

 10年間勤めた不動産会社の営業に見切りをつけ、1年前から個人事業主として「何でも屋」をスタートさせた小峰さん(仮名・33歳)。まだまだ手探り状態で、庭の草刈りから運転代行まで、いろんな仕事をこなす日々を送っています。

「不動産会社では、宅建も取得しそれなりに頑張っていたのですが、なかなか売れない物件を言葉巧みに売っていく日々に耐えられなくなりました。ノルマがあるので背に腹は代えられませんが、辞める直前に賃貸契約してもらった中古マンションの販売がトリガーとなり転職を考えたんです。実は、告知義務はなかったのですが、以前その物件で悲しいことが起きていまして……。もちろん、法律に反することは一切ないのですが……。ただ、なんか欺いているような気が少しずつ大きくなっていきました」

 赤裸々にサラリーマン時代のモヤモヤを語ってくれた小峰さん。その反動なのか、再スタート後は気兼ねなく仕事に精を出しているとのことです。 

◆一瞬目を疑った仕事依頼

 そんな矢先、一通のダイレクトメールが舞い込んできました。その内容に思わず「は?」と声を上げてしまった小峰さん。

「ちょうど、車で次の現場に到着し、近隣の駐車場に入庫した時に入ったDMでした。『一緒にラブホへ同行していただくことも可能ですか?』という内容で、最初は何を言っているのか分からず、思わず『すみません、こちらは何でも屋ですが?』と返信したくらいです。そしたら、間髪入れずに『はい、SNSを見て相談しています。何でも受けてくれると書いてあったので……。ダメですか?』と、追加のメッセージが入り、その後詳細なやり取りを経て正式に依頼を受けました」

 その女性はアラフォーのキャリアウーマンで、今まで交際経験がなく、このままでは一生ラブホに入る経験をせず、一生を終えることに不安を募らせ、思い切って相談してきたそうです。

◆依頼主が喜ぶ姿に安堵

 それから1週間後、事前の申告通り、清楚なピンクのワンピースにロングヘアという出立ちで、指定された待ち合わせ場所に現れた女性。

「交際経験がないと聞いていたので、あまり男性受けしない感じの女性なのかと思っていたのですが、目の前に現れた彼女を見て驚きました。背が高くてスタイルも良く、おまけに目鼻立ちがはっきりとした美人顔だったのです。女優かモデルと言われても信じていたでしょう。一瞬見とれてしまったら『無理なお願いを言ってすみません。今日はよろしくお願いします』と丁寧にあいさつされたので、早速道玄坂のホテル街に向かうことにしました」

 坂を一緒に歩きながら、あらかじめ予約しておいたラブホの前へたどり着いた2人。小峰さんは「ここでよろしいでしょうか?」と、念のため確認し、彼女がにっこりうなずいたので、ホテルへ入ったといいます。

「女性は、興味深く部屋中を歩き回ったりして、とても感動しているようでした。望みが叶ったようで、ひと安心です。一時はどうなることかと思いましたが……」

◆バスタオル1枚でベッドに横たわる女性

 小峰さんは、ベッドから少し離れた場所にあるソファに座りながらスマホで今後の予定などを確認していると、突然バスルームのほうから彼を呼ぶ声が聞こえてきたといいます。

「どうやら、その女性はお風呂のジェットバスを試してみたくなり、私を呼んだようです。私がバスルームへ移動すると、女性はすでにお湯をためていたので、泡が出る入浴剤を投入し、ジェットバスの操作方法を教えてからバスルームの外へ出ました」

 バスルームでは「ゴーゴー」と、ジェットバスの音が響いていましたが、私はスマホのメール返信に夢中になっていました。

「しばらくスマホと格闘していたのですが、ふと顔を上げると、バスタオル1枚でベッドに横たわる女性が視界に入り、『すみません、このパネルはどうやって操作するのですか?』と、今度は照明パネルに興味がわいたようなので、私は彼女のそばまで移動しました。しかし、次の瞬間、部屋中の照明が全部消えてしまったのです」

◆あぶない、理性を失うところだった

 慌てた小峰さんは、女性の体を踏みつけないように枕元にある照明パネルに近づき、操作を行おうとした次の瞬間、「照明そのままでいいです」と言いながら女性が背後から覆い被さってきたそうです。

「一瞬、ドキッとしました。生暖かい感触が私の背中を覆ってきたのですから。真っ暗な部屋と同様、それと同じように私の理性のともしびも消えかかりそうになりました」

 小峰さんは、それでも必死になってパネルのスイッチを押しまくったところ、部屋全体の照明が一斉に点灯し、2人ともわれに返ることができたそうです。

「自分を褒めたいです。10年前の私だったらブレーキが効かなかったと思います。ただ、あの感触は当分忘れられません。あの日ホテルを出てから彼女には会っていません。なので、どういう意図があったのかは今でもわかりません。ちょっと“オイシイ”仕事だったと思い、明日からまたがんばります!」

 

<TEXT/ベルクちゃん>

―[ラブホの珍エピソード]―

【ベルクちゃん】

愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営