「余っている庭を潰して増築するには、費用はいくらかかるのだろう?」「できるだけ費用を抑えて増築リフォームがしたい」

このようにお考えではありませんか?

家を建て替えるよりもコストを抑えることができるため、費用を抑えながらも部屋数を増やしたい方や自宅を広くしたい方に増築はおすすめです。

しかし、相場を知らなければ後悔するケースもあります。

増築にかかる費用は「どこに増築するか」によっても変動するので、あらかじめ確認しておきましょう。

また、増築リフォームの際は工事以外にも諸費用が必要になります。

こちらの記事では、増築にかかる費用を解説、実際に行われた増築リフォームの施工事例もご紹介します。

増築にかかる費用を抑える方法についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

1.増築とは?改築との違い

増築とは、既存の建物の床面積を広げる工事のことを指します。具体的には以下のような工事が含まれます。

部屋の数を増やす

平屋を2階建てにする

敷地内に離れを建てる

庭や玄関前にカーポートやベランダを新設する

一方、改築は建物の床面積を変えずに行うリフォームのことです。古くなった設備の交換や、間取りの変更といった工事がこれにあたります。

増築するメリット・デメリット

メリット

増築は、建て替えや間取り変更を伴う大規模リフォームと比べても、比較的コストを抑えられることが大きなメリットです。

建て替えでは既存の建物を全て撤去して新しい建物を建てるため、土工事や基礎工事が必要となりコストが高くつきますが、増築は既存の建物を残しながら新たな部屋やベランダを追加する工事であり、必要な基礎工事の範囲が限定されるため、作業が少なくコストを抑えられます。

また、住み替えと比較すると、購入のコストを省ける点が魅力です。

さらに、建て替えや大規模リフォームの場合には工事期間中に別の住居を用意する必要があり、引越しの手間もかかりますが、増築は現居住環境を維持しながら工事を進めることができるため、生活に大きな影響を与えることなく部屋数を増やすことが可能です。

デメリット

増築を行う際のデメリットとしては、性能の差が表れる可能性がある点が挙げられます。

既存の建物と新しい建物との間で耐久性や耐震性が異なる場合、施工不良が原因で接合部分から雨漏りや地震によるひび割れといった不具合が生じることがあります。そのため、設計段階で耐久性や耐震性を十分に考慮し、経験豊富な業者に相談することが重要です。

また、住み替えや間取り変更を伴う大規模リフォームと比較しても、増築にはいくつかのデメリットがあります。住み替えの場合、既存の建物の問題点を全て解消できる可能性がある一方で、増築では部分的な改善にとどまる可能性があります。

さらに、間取り変更を伴うリフォームでは家全体の統一感を維持しつつ機能性を高めることができますが、増築では既存部分との調和が難しい場合があります。

同じ素材を使用しても経年劣化や褐色の違いが生じるため、新設部分と既存部分との間で色味や雰囲気に差が出ることも珍しくありません。統一感を保つためにも、業者と十分に確認しておくことが大切です。

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2.一般的な増築パターンと費用相場

ここでは、増築にかかる費用を解説していきます。

増築リフォームの費用は、「どこに増築するか」によって変動します。

また、増築リフォームを行う際は、工事費用以外にも必要な諸経費があります。

ご自身の希望するリフォームにどれくらい費用がかかるかイメージするために、ぜひ最後までお読みください。

パターン①:既存の建物につなげて増築

既存の建物につなげて増築する場合、増築方法は2つあります。

既存の建物につなげて増築する際の費用は以下のとおりです。

【既存の建物につなげて増築する際にかかる費用】

 
1階部分増築
2階部分増築
2畳

4畳

6畳

8畳

10畳

12畳

約66万~78万円 約54万~100万円
約132万~156万円 約108万~200万円
約198万~234万円 約162万~300万円
約264万~312万円 約216万~400万円
約350万~400万円 約550万~700万円
約400万~650万円 約600万~750万円

増築にかかる費用は増築面積が広ければ広いほど単価が安くなります。

加えて、1階部分に比べ、2階部分に増築する場合は屋根の取り壊しや足場の設置など工事に手間がかかるため、費用も高額になっています。

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パターン②:離れの増築

離れを増築する場合は建築方法によって費用に大きな違いがあります。また、木造、鉄骨造、プレハブ造のそれぞれの特徴を理解しておくことも大切なので、確認しておきましょう。

木造、鉄骨造、プレハブ造の特徴

【木造】

木造は、古くから日本の建築に使われており、非常に馴染みのある方法です。

柱や梁、筋交いを組み合わせて建築され、加工が容易で、設計の自由度が高いのが特徴です。

また、断熱性や吸湿性が高く、快適な空間を維持しやすいメリットもあります。

【鉄骨造】

鉄骨造は、柱や梁に鉄を使用する建築方法です。

鉄は非常に頑丈で、木造やプレハブ造と比較して耐久性に優れています。

特に重量鉄骨造では、厚い鉄骨を使用しているため、建物の柱や梁を増やす必要がなく、建築プランの自由度が高い点も魅力です。

【プレハブ造】

プレハブ造は、建物の部材を工場で生産し、現場で組み立てる工法です。

この方法は工場で部材を生産するため、品質が安定しやすく、職人の技術差が影響しにくいというメリットがあります。

また、現場での組み立てが簡単なため、工期が短く、木造や鉄骨造よりもコストが抑えられる点も特徴です。

【離れの増築にかかる費用】

 
木造
鉄骨造
プレハブ造
6畳

10畳

15畳

20畳

30畳

40畳

約200万~300万円 約300万~500万円 約150万~250万円
約270万~500万円 約450万~650万円 約250万~330万円
約450万~700万円 約600万~900万円 約300万~500万円
約600万~900万円 約800万~1100万円 約450万~660万円
約800万~1300万円 約1000万~1700万円 約600万~1000万円
約1100万~1600万円 約1600万~2000万円 約900万~1300万円

離れの増築も、費用は増築面積が広ければ広いほど単価が安くなります。

離れの増築についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

余った土地を活用!離れの増築で知っておくべき基礎知識や費用を解説

増築部分にお風呂・トイレなど水回り設備を設置する際は、設置場所を工夫しよう

増築部分に水回り設備の設置を検討している場合は、水回り設備の設置場所によってリフォーム費用が変動することを知っておきましょう。

水回りの増築で必ず行う配管工事は、既存配管から施工箇所までの延長距離によって費用が変動します。

新しく設置する水回り設備が既存の配管に近ければ近いほど、配管延長にかかる費用を抑えられる、ということです。

配管の延長にかかる工事は、建物の構造によって多少変動しますが、1mあたり1.5万~2万円が相場です。

増築とあわせて水回り設備の導入をお考えの方は、設置場所を工夫できるかどうか検討しましょう。

▼それぞれの場所や用途ごとの増築費用はこちら

パターン③:ワンフロア全体の増築

平屋を2階建てに、または2階建ての住宅を3階建てに増築することも可能です。

既存の住宅の上に新たにフロアを増築する場合、耐震性を確保するために1階部分の補強工事が必要となります。また、屋根の解体や再構築などの工事も必要となるため、1階部分への増築に比べて費用が高くなる傾向があります。

トイレや水回りの設備を新たに追加するかどうかによっても、費用が変動します。また、新しい階に移動するための階段の設置も必要です。

さらに、上部への増築だけでなく、地下室を増築することも可能です。しかし、地下室の増築が可能かどうかは、現地調査を行わないと判断できません。

住宅の状態や工事内容によって費用も異なるため、複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討した上で最適な業者を選びましょう。

【ワンフロア全体の増築にかかる費用】

 
2~3階部分増築
地下部分増築
2畳

4畳

6畳

8畳

10畳

12畳

約54万~100万円 約320万円~
約108万~200万円 約640万円~
約162万~300万円 約960万円~
約216万~400万円 約1,280万円~
約400万~700万円 約1,600万円~
約500万~750万円 約1,920万円~

これらはあくまで相場であり、実際の費用は業者によって異なります。

また、設備の内容次第では費用がさらに高額になる場合もあります。予算に合った増築が可能かどうか、事前に業者に相談するようにしましょう。