3.増築工事以外に必要な諸費用
増築リフォームを行う際は、工事費用以外にも必要な諸経費があります。
具体的には、工事の他に「建築確認申請」と「表題変更登記」に費用が発生します。
また、増築によって資産が増えるため「固定資産税」も増額します。
15~20万円 |
7~10万円 |
増築面積によって異なる (目安:工事費の4割×1.7) |
参考:https://www.reform-guide.jp/topics/zouchiku_hiyou/#3
確認申請は、「防火・準防火地域」の敷地、または「10㎡以上の増築」の場合必要になります。必要書類の作成には専門的な知識が必要ですので、施工会社に一任するのが一般的です。
確認申請については、以下の記事で詳しく解説しております。
5分で分かる増築時の確認申請とは!
登記についても、通常は「土地家屋調査士」に代行してもらいます。
あわせて、増築に伴い固定資産税も増額します。どれくらい増額するのかは増築面積や建物の構造によって異なりますが、工事費の4割×1.7%が増額分の目安です。
増築リフォームを行う際は、工事以外にかかる諸経費についても考慮しながらリフォームプランを立てるようにしましょう。
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4.【具体的な用途別】部分的な増築にかかる費用
増築する際にかかる費用は用途によっても異なります。ここからは、工事箇所別の費用相場をみていきましょう。
①お風呂
お風呂の増築 |
2畳 |
約75万~250万円 |
「お風呂を広くしたい」「家族が増えたので新しいお風呂が必要」など、お風呂の増築を検討している方もいるでしょう。
費用は、設置場所や浴室のサイズ、機能によって異なります。また、増築場所が2階の場合、配管工事が必要になるため、費用が高額になることが多いです。
離れに増築する場合は、電気工事や、地盤が弱い場合には地盤改良工事も必要になることもあります。
注意点として、現在のお住まいが防火地域や準防火地域にある場合、住宅の面積が増えると建築確認申請が必要です。申請費用として約15万~20万円がかかるので、予算に追加しておくと良いでしょう。
また、お風呂を広げる増築工事では、既存の脱衣室が狭くなることがあり、使い勝手が悪くなる可能性があります。場合によっては洗濯機が置けなくなることもあるため、お風呂の増築工事を行う際は、脱衣所のリフォームも一緒に検討することをおすすめします。
②トイレ
トイレの増築 |
1畳 |
約50万~200万円 |
家族が増えると忙しい時間帯にトイレが混雑し、使いたいときに使えない状況に陥ることがあります。その結果、学校や仕事への遅刻につながる可能性があり、家族間で不満が生まれることもあるでしょう。
このような状況を改善するために、トイレの増築を検討する方もいるはずです。
特に、1階にしかトイレがない場合、2階に増築することで、子ども部屋や寝室からのアクセスが容易になり便利です。
ただし、排水管工事が必要になるため、費用が高くなる傾向があります。また、高性能なトイレを選ぶほど費用が増す可能性があるため、慎重に選びましょう。
さらに、トイレの広さも重要なポイントです。一般的な広さは1畳分ですが、快適性を求めて広くする場合、その分費用が上がることにも注意してください。
③キッチン
キッチンの増築 |
約90万~400万円 |
通常のキッチンを増築する場合、規模や選択する設備により費用は約90万~400万円程度かかります。
一方、日常的に使用しているキッチンとは別にミニキッチンを増築する方もいます。例えば、既存のキッチンが1階にある場合、2階にミニキッチンを設置することで、お茶を入れたり簡単な調理ができたりと、生活の利便性が向上します。
小型のキッチンなら、コンパクトな設置面積でも問題ありません。シンク、コンロ、レンジフードといった基本的な設備が揃っているため、十分に使用できるでしょう。
ただし、既存のキッチンとの位置関係により、工事内容が異なります。例えば、既存キッチンの真上の階に設置する場合は工事が比較的簡単で済みますが、離れた位置に設置する場合は配管工事が複雑化しやすく、その結果、工期が延び、費用も高くなる可能性があります。
④和室
木造の和室を増築 |
1畳/1階 |
約30万~40万円 |
鉄骨造の和室を増築 |
1畳/1階 |
約50万~55万円 |
木造離れの和室を増築 |
1畳/1階 |
約35万~50万円 |
プレハブ造離れの和室を増築 |
1畳/1階 |
約25万~33万円 |
和室が既存住宅にない場合や、もう1つ部屋が欲しいときに、和室の増築を検討する方もいるでしょう。
和室は伝統的な日本の部屋造りの一種で畳や障子などがあり、心地の良い空間が魅力です。寝室としてだけでなく、子どもの遊び場や作業スペース、来客用としても活用できるため、多目的に使えることがメリットといえます。
また、畳には調湿効果や消臭・吸臭効果があるため、快適な環境を維持しやすいという特徴もあります。
和室の増築費用は、木造や鉄骨造などの構造によって異なります。特に木造やプレハブ造は比較的費用が抑えられるため、予算が限られている場合には検討する価値があるでしょう。
⑤洋室
木造の洋室を増築 |
1畳/1階 |
約30万~40万円 |
鉄骨造の洋室を増築 |
1畳/1階 |
約50万~55万円 |
木造離れの洋室を増築 |
1畳/1階 |
約35万~50万円 |
プレハブ造離れの洋室を増築 |
1畳/1階 |
約25万~33万円 |
洋室は、フローリングを使用した部屋のことです。畳の部屋と異なりフローリングは硬いため、重い家具を設置しても床が凹む心配がありません。そのため、お好みの家具を自由に配置できるといった特徴があります。
さらに、フローリングは汚れが付きにくく、掃除がしやすい点も魅力です。和風の家具にも馴染みやすいため、洋風インテリアだけでなく、和風のテイストを取り入れることも可能です。模様替えにより、さまざまな雰囲気を楽しめるため、幅広い世代に支持されています。
費用は和室の増築と同様の相場となりますが、使用する素材によって異なります。予算内に収めるためにも、業者と相談しながら計画を進めることが大切です。
⑥ベランダ・バルコニー
ベランダ・バルコニーの増築 |
1畳 |
約25万~50万円 |
ベランダやバルコニーを増築することで、洗濯物を干すスペースや家庭菜園を楽しむスペース、またはゆったりとお茶を楽しむスペースとして活用できます。
増築する広さが1畳の場合、費用相場は約25万~50万円です。ベランダとバルコニーの違いは、屋根の有無にあります。ベランダには屋根が付いていますが、バルコニーには屋根がなく、2階以上の階に設置されているのが一般的です。
増築にかかる費用は、防水工事の種類や使用する材質・素材によって異なります。
また、建ぺい率や容積率に関する規制を守るため、場合によっては確認申請が必要です。基準を超えたままでベランダやバルコニーを設置すると建築基準法に違反する可能性があるため、業者に依頼して申請手続きを行いましょう。
⑦サンルーム
サンルームの増築 |
約40万~180万円 |
サンルームとは、天井や壁から太陽光を取り入れることができる部屋のことで、洗濯物を干すスペースや、子どもの遊び場、セカンドリビングなど、さまざまな用途に利用できます。
サンルームには、床納まりタイプや土間納まりタイプ、バルコニー囲いタイプやバルコニー納まりタイプなど、いくつかの種類があります。そのため、設置場所やタイプによって費用が大きく異なる点には注意が必要です。
また、換気扇やLEDライトの設置、紫外線対策、物干し台の取り付けなどのオプションを追加することで、さらに費用が変動します。
⑧ガレージ・カーポート
ガレージの増築 |
1台分 |
約80万~300万円 |
カーポートの増築 |
1台分 |
約18万~60万円 |
カーポートの増築 |
2台分 |
約30万~65万円 |
車を所有している方の場合、カーポートやガレージを増築して、大切な車を紫外線、雨、雪からしっかりと守りたいと考える方もいるでしょう。
ガレージは壁、屋根、そしてシャッターで車全体を保護できるスペースです。窓や棚の設置もでき、広さに余裕があれば趣味の道具を保管したり、趣味のスペースとしても利用したりできます。ただし、基礎工事が必要なため、費用が高くなりがちです。
カーポートは柱で屋根を支える構造のため、比較的狭いスペースにも設置できる点が魅力です。工期が短く、ガレージに比べて費用を抑えることができるのもメリットといえるでしょう。