早春、ほかの花に先駆けて庭を彩る球根花。春の訪れを教えてくれる球根花の植え時は、秋。そろそろ来春のガーデンに向けて準備を始めましょう。今回は、球根花と早春に咲く草花を組み合わせた、花が咲き継ぐ春の開花リレープランをご紹介します。プラン設計を教えてくれるのは、ローズアドバイザーの経歴を持ち、数々の文献に触れてきた田中敏夫さん。3月、4月、5月に咲く、丈夫で育てやすいおすすめの花をセレクトして解説します。
春を飾る球根たちで作る開花リレー
まだ寒さが残る早春。この季節、庭は枯れ姿ばかりが目につきますが、よく観察すると多くの植物たちはすでに小さな芽をつくり、春の日差しを待ちかねています。
Oksana Lyskova/Shutterstock.com
球根の中には、ペチコート・スイセン(Narcissus bulbocodium/ナルキッスス・ブルボコディウム:ヒガンバナ科スイセン属)や寒咲き日本スイセン(N. tazetta var. chinensis/ナルキッスス var. キネンシス)のように、所によっては12月に開花するような早咲きの球根もあります。
冬枯れの庭のなかに花色が見えると心和みますが、本格的な春を迎えると、これらの花を追いかけるかのように多くの球根類が次々に開花していきます。品種それぞれの開花時期をよく見極め、早春から始まる“花”のリレーを計画し楽しむことは、園芸の醍醐味でもあります。
ここでは、3月から始まる球根類の開花のリレーを計画し、華やぐ春庭のプラン(千葉北西部の例)を作成してみました。球根とともに咲く小さな草花たちについても、少し触れてみたいと思います。
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