空間を生ける
こちらでもお手入れの過程で摘み取ったグロリオサを使って、手のひらにのるような小さな花器に2本のグロリオサと「ハラン」を生けました。
ハランは一枚の葉が大きいので、全体のバランスを考えて葉を半分に。少し切り込みを入れるだけできれいに裂けます。切り取った葉は花器の口に巻き付けて花留にしました。
繊細なグロリオサの花と片側に思い切り流して生けたプロペラのようなハランの葉は、小さいけれど空間を贅沢に使った花あしらいです。
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小さな小さな花あしらい
最後は短い茎でも楽しめる、極小の花あしらいです。
お手入れなどで切り取った茎を、アロマオイルが入っていた空き瓶に生けました。ビバーナムコンパクタから落ちた実で彩を添えます。
写真のようにいくつかを集めて、または重たいものは置けない小さなスペースにひとつだけというのも素敵です。
小さな花あしらいならではの魅力を活かして、最後の一輪までグロリオサを楽しみましょう。
今回使用した花:マム、花パイナップル、ハラン、月桃の実、エキナセア、グロリオサ(黄色)、おもちゃメロン(ククミス)、グロリオサ(赤)、ビバーナムコンパクタ
「グロリオサ」の基本情報
□出回り時期:通年(最盛期7月~9月)
□香り:なし
□学名:Gloriosa
□分類:イヌサフラン科 グロリオサ属
□和名:ユリグルマ、キツネユリ
□原産地:熱帯アフリカ、熱帯アジア
新井光史
神戸生まれ。花の生産者としてブラジルへ移住。その後、サンパウロの花屋で働いた経験から、花で表現することの喜びに目覚める。
2008年ジャパンカップ・フラワーデザイン競技会にて優勝、内閣総理大臣賞を受賞し日本一に輝く。2020年Flower Art Awardに保屋松千亜紀(第一園芸)とペアで出場しグランプリを獲得、フランス「アート・フローラル国際コンクール」日本代表となる。2022年FLOWERARTIST EXTENSIONで村上功悦(第一園芸)とペアで出場しグランプリ獲得。
コンペティションのみならず、ウェディングやパーティ装飾、オーダーメイドアレンジメントのご依頼や各種イベントに招致される機会も多く、国内外におけるデモンストレーションやワークショップなど、日本を代表するフラワーデザイナーの一人として、幅広く活動している。
著書に『The Eternal Flower』(StichtingKunstboek)、『花の辞典』『花の本』(雷鳥社)『季節の言葉を表現するフラワーデザイン』(誠文堂新光社)などがある。
花毎でお楽しみいただける新井の連載 夢の花屋
Text・第一園芸 花毎 クリエイティブディレクター 石川恵子