私は2歳年上の夫と、数年前に義父を亡くして独り身の義母とで3人暮らしをしています。世間では嫁姑のいさかいもあるようですが、義母は気立ての良い太っ腹な人。観劇が趣味という共通点もあり、私たちは同居後も良好な関係を維持しています。しかし最近、夫の様子がおかしくて……。

不在がちな夫、やっぱり…

このところ夫は、残業だ出張だと言って帰宅することすら稀に。電話やメッセージでも必要最低限の業務連絡のようなやりとりばかり。そしてこの間、たまたま夫の会社に連絡をしたことで、ついに私は知ってしまいました。夫は出張ではなく、有給休暇を使ってどこかに旅行していたというのです。

さらに先日、酔っぱらいつつも珍しく帰ってきた夫が、カバンを放り投げてソファーで爆睡したときのこと。散らばった中身を片付けていた私が見つけたのは、知らない家の鍵。しかもキーホルダーには女性の写真が入っていました。

これは浮気の動かぬ証拠……。そのとき、後ろから物音が聞こえたので振り向くと、寝間着姿の義母が立っていました。義母も実の息子が何をしているのか、悟ったのだと思います。

私が、「夫とは夫婦ではいられません。離婚して、この家を出ていきます」と言うと、義母は私の手を握って言ってくれました。「悪いのはすべて息子。あなたが出ていくことはない。私にとってあなたはすでに嫁じゃなく娘みたいなものだもの!」

そして、何かを決意したようにうなずきました。「私に考えがあるわ。任せてちょうだい」

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とんでもない事態に

その数日後、大変なことが起こりました。なんと義母が自宅で突然倒れたのです。私は慌てて夫に連絡しましたが、コール音はしても一向に取る気配がありません。2時間以上も折り返しもなく、ようやく夫が戻ってきた夜には、義母はベッドの中で眠っていました。

「母さんはどうなんだ?」。夫は、苦しそうに眠る義母を指差して聞きました。私は冷静を務めて答えました。「このまま寝たきりになるって。生活には全面的な介護が必要で、食事もお風呂もトイレもサポートが必須。意思疎通も難しくなるそうよ。あなたは唯一の実子よね? これからはしっかり帰宅して介護をしてあげて」と言うと……。

「嫁なんだからお前がやれ!」と、夫は介護を拒否。「俺は会社で寝泊まりするからよろしく。寝たきり老人の面倒なんて見たくない!」

そこで私は、「あなたが寝泊まりするのは浮気相手宅でしょ? 全部知っているのよ」と言いました。ところが夫は開き直ったのです。「知っているなら話は早い。俺はあっちのマンションに移るから」

夫はそのまま本当に、着替えをまとめて家を出て行ってしまいました。私はあ然。自分の母親が寝たきりになったというのに、介護を放棄して浮気相手宅に逃げるなんてあり得ません。