地方移転を検討する家族に
今回の相談は、移住によって生活水準を変えたくないとのことでした。娯楽・外食・教育にお金をかけているA夫妻にとって、移住先は今までとまったく同じ水準での生活とはいかないかもしれません。
地方で暮らすと住宅にかかるコストを抑えられるというメリットがありますが、そのほかの支出で意外にお金がかかることもあります。
たとえばマイカーの維持費です。車は地方では足代わりとなる必需品。その車の維持費(自動車税、自賠責保険、任意保険、ガソリン代、車検代)はなかなか大きな出費といえるでしょう。
また、車の買い替え費用など、数年に一度の大きな支出も想定しておく必要があります。
教育に関していうと、東京には多くの学校、学習塾、習い事などがあり、さまざまな選択肢のなかから選ぶことが可能です。教育費さえかけることができれば、子どもにさまざまな選択肢を与えられます。
一方、地方にはAさんが望むような「自然豊かなのびのびとした環境」があります。このような環境では教育費も相対的に抑えられる可能性が高いです。
しかし、大学進学のタイミングでひとり暮らしとなる可能性が高くなり、大学進学時の費用はかさむでしょう。
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子どもも交えて「家族全員が満足する生活スタイル」を考える
東京か地方かで生活スタイルや子供の教育環境が変わってきます。
自分たち家族が望んでいる生活スタイルは何か? それが実現できるのはどこなのか? というように、今だけではなく未来も想像したうえで移住を計画しましょう。
その上で、ライフプランを立て子どもの教育費や老後の資金をどのように準備していくかを考えることが重要です。
便利さや自然の豊かさなど分かりやすい特徴にだけ注目するのではなく、お金の事情を比較してみることによって、新たな気づきを得られるはずです。
地方移住のための情報をまとめたWebサイトや自治体ごとの移住相談イベントなどを活用し、情報収集をしてみるとよいでしょう。
また、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談し、未来のことも考えたベストな選択をすることをおすすめします。
久保 雅巳
FP Office株式会社
ファイナンシャルプランナー