「価値観がわかれば」節約しなくても支出は必然的に減る

私たちのライフスタイルには多かれ少なかれ社会や他人の価値観が反映されています。ほとんどの人は、社会で信じられている「これを得られたら幸せ」というもの(たとえば、社会的評価の高い仕事、地位、ステータス、家、車、旅行、外食、結婚など)を手にすることを目標にしていたり、実際に持っていたりします。何をして過ごすかも、他人の価値観にもとづいて決めている割合が多いのが通常です。

しかし、この活動(支出)は本当に自分の価値観を満たすものかどうかという視点で見直すと、これらに支出しても(手に入れても)自分は幸せを感じない、というものが多く出てきます。そうした支出は、何の未練もなく整理できるケースが実に多いのです。

自分の価値観に照らして「幸せに生きるための月額」を算出すると、ほぼ例外なく減るというのは、このような経験則からきています。

この支出減は、爪に火をともすように節約して達成したものではありません。今の幸せを犠牲にして捻り出したものではなく、もともと、なくてもあなたは困らなかったものです。なくても痛くも痒くもないことが、わかっていなかっただけなのです。必要経費だと思い込んでいたけれども、実際にはなくてもよかったという支出が、価値観を見つめ直していくとたくさん出てきます。

十把(じっぱ)ひとからげに誰もが2,000万円足りないという試算は、あまりにも個々の事情を無視しています。老後に生活資金が足りなくなる、と心配する必要などありません。

現実をしっかり見て、まずは将来に対して安心感を持ちましょう。

⾼⾐ 紗彩

株式会社ミッション・ミッケ人生デザイン研究所 代表取締役