インターンシップは、1日~1か月程度で働く「短期インターン」と、数カ月~数年単位で働く「長期インターン」に分かれます。どちらも学生時代の大きな経験となる点は共通していますが、長期インターンのほうが企業から見た評価は断然高いといいます。そこで本記事では、トテジェニファー麻綾氏の著書『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)より一部抜粋・再編集して、長期インターンシップが就活に与える影響について解説します。
長期インターンを就職活動の軸に据え置く
インターンへ参加する=就活がうまくいくというわけではないが、インターンに参加し活躍できたのなら、納得のいく就活は確実に手繰り寄せられている。インターンに参加して一定の成果も上げられたのに、それらの経験が就職活動や以降の人生に生かされなければ宝の持ち腐れになってしまう。せっかく貴重な学生生活の時間をインターンに費やしたのなら、これを活用しない手はない。
インターン生活の途中、ないしは後半に待ち受けているのは、大学卒業後に正社員として勤めるために自身のファーストキャリアを見つける新卒の就職活動である。ここで、インターン経験という高級食材をどう調理して就活成功という最高級料理に仕上げるかがカギとなる。
就活はインターンを経験した人もそうでない人も一律で行うことになるが、インターン経験者は就活開始前から大きなアドバンテージを獲得していると自信を持って言える。経験者と未経験者に差が出るのは当然のことで、社内での立ち回りや社会人とのやりとり、仕事への向き合い方など、どれをとってもポジティブに作用すると思っていい。
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約3%の限られた層に属することを意味する
インターン経験者は就活市場でどのようなポジションにいるのか。実際にインターンをしていると、自分の周りにいる学生は自分と似たようなジャンルの人で固められていくためだんだんと感覚が麻痺してくるが、全体で見るとインターン経験のある学生は想像以上に少ない。
毎年、就活の時期になるとサマーインターンやウインターインターンというかたちで就活生を対象とした短期インターンに参加することは学生の中で通説になっている。しかし、長期インターンに限定して見ると、その経験がある学生は一気に少なくなる。
就職白書2023年(2023/2/28発表)を見てみると、長期インターンの参加率は約3%にとどまっている。つまり、社内での成果の有無を横に置いておいても、この経験ができている時点で、限られた層に属することになる。この3%の中で、「1年以上勤務していた」、「成果を上げられた」などと条件を加えたとしたら、さらに該当する層が狭まることは言うまでもない。
短期インターンと長期インターンには大きな差があり、総括して長期インターンのほうがハードルは高い。ときにインターンのために犠牲にするものもあるかもしれないが、だからこそ多くの学生が得られないような価値観やスキルを獲得し、就活においても希少な部類に食い込むことができる。
一方で、長期インターンに参加したい学生や長期インターンの認知率は年々上がってきているように思う。「インターン」=「短期インターン」というような認識には変わりないが、「長期インターン」という言葉を出しても、学生間の会話でも「長期インターンって何のこと?」となることはほとんどなく、「あ、長期インターンね」というような反応が返ってくる。
そんな話をしていると、口に出さないだけで多くの人が長期インターンに参加しているのだろうなと思うかもしれないが、実際行動に起こしている人はかなり限定されることが分かる。裏を返せば、みんながみんな同じような経験をしていたら、レア度が薄れてしまうので、少ないと感じるぐらいの参加率のほうがちょうどいいのかもしれない。