海外にはない、日本独自の文化として進化してきた巻きクレープ。そんなクレープを販売する店のなかで、今最も注目を浴びているのが高円寺にオープンした「β STAND(ベータスタンド)」です。
2時間待ちができるほど人気で、惜しまれつつ閉店したクレープ店の職人とそのアラブ時代の幼馴染が再会して開いた新店。メディア初取材として、その魅力を探ります。
8月オープン。開店前からファンが殺到する話題店
お店があるのは、高円寺駅近くの庚申(こうしん)商店街の一画。店長を務めるのは、同じ商店街で10年間愛され、惜しまれつつ閉店した「HONEY BEE CREPE Tokyo」のクレープ職人、髙井邦彦さんです。
グレーや白を基調としたシンプルなデザインの店内には、目の前で調理工程を見られる3台の焼き器が。クレープの写真があしらわれたポスターが多く飾られており、自分が頼んだメニューの前で写真を撮る人も多いのだとか。
(左)店長・クレープ職人の髙井邦彦さん、(右)代表の益田勇気さん
髙井さんとともにお店を立ち上げ、開業資金の出資のほか、デザインやブランディングを務めるのが代表の益田勇気さん。2人は幼少期をアラブ首長国連邦で過ごしており、日本人学校で小学生時代をともに過ごした幼馴染なのだそう。
スタッフの中には髙井さんの前のクレープ店に小学生のときから通っていた人もおり、店内には驚くほど和やかな空気が流れています。
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名店のクレープが進化!シンプルなのに記憶に残る
「ベリー&ベリー マスカルポーネはちみつレモン」
お店には、通年販売のメニューと、期間限定の品がラインアップ。一番人気の『ベリー&ベリー マスカルポーネはちみつレモン』は、パリッとした生地にストロベリーアイスとチーズクリームをトッピング。さらにはちみつとレモン果汁をかけて仕上げた限定クレープです。
焼きたての生地はほんのり温かく、外側はサクッと、食べ進めるともちっとした食感に。小麦の香ばしさを感じる生地に、濃厚な甘さのアイスクリーム、酸味が絶妙なマスカルポーネのチーズクリーム…。アイスとフルーツ、クリームという親しみのある構成ながら、その中でも飛びぬけておいしいと感じるクレープです。
「チョコ&ショコラ」
クレープから人気が出てメニュー化したという、アイスクリームも絶品。今回オーダーしたのは、ショコラアイスにチョコソースをかけた『チョコ&ショコラ』。全5種があり、それぞれ異なるアイスクリームとソースが組み合わさっています。
ショコラアイスはコクがありつつ、後味はさっぱり。甘みのあるチョコソースとアイスのバランスがちょうどよく、満足感があるのにしつこくない、絶妙な味わいを楽しめます。
「はちみつレモン生クリーム」 画像提供:株式会社ミナレット photo by Naomi Circus
通年販売のクレープには、前のお店から人気だった『はちみつレモン生クリーム』をはじめ、よりシンプルに生地や素材を楽しめるメニューも。
髙井さんによると、素材の組み合わせのポイントは“タイプが逆のもの”。「甘くて重ためな印象のはちみつには、酸味があってさわやかなレモンを。なめらかで塩味のあるマスカルポーネにはみずみずしくて酸味のあるラズベリーを、と反対の性質をもつ素材によって味が中和されることで、全体の調和が生まれると思っています」と、そのこだわりを話します。