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●2014年9月よりブランドスタートした杉田エース株式会社が手掛ける長期保存食「IZAMESHI」。メディアやSNSでも話題の商品で、人気の秘訣を担当者に伺いました。
9月は防災月間です。今年に入ってから能登半島地震に始まり、お盆の時期は南海トラフ臨時情報が発表されました。最近では大型の台風にも見舞われ、自然災害の怖さを改めて痛感しました。
これをきっかけに備えを見直したという人も少なくなく、ミネラルウォーターやお米が供給不足になるなど、普段の備えに不足や不安があるという現れでもあります。
著者の家庭では保存食が家族分備えられているか見直し、いくつかストックをし直しました。そこで、今話題の長期保存食「IZAMESHI(イザメシ)」に出会いました。
おしゃれでおいしい長期保存食「IZAMESHI」とは
珍しい台湾グルメの保存食をお取り寄せ。写真は「魯肉飯(ルーローハン)」と「香菇雞湯(シャングージータン)」
どちらも3年保存がきく長期保存食です。色合いも可愛らしく、棚に見えるように収納してもあからさまに“保存食”という感じがしないのが気に入っています。
台湾料理特有の香辛料がしっかりきいていて、ご飯が進む甘辛い味わいです
八角などの香辛料がしっかりきいていて、本格的な味わいです。温めなしで食べてもおいしく、保存食にバリエーションを持たせたい人におすすめの商品です。
パッケージも素敵で、味も本格派。どのような思いでブランドを作り上げたのか気になる……。ということで、「IZAMESHI」の担当者にインタビューをしました。
「IZAMESHI」誕生のきっかけは東日本大震災での経験から
ご飯、おかず、パンなどラインナップが豊富です
Q:「IZAMESHI」開発の経緯を教えてください。
A:「きっかけは2011年の東日本大震災です。当時、支援物資や殺到するニーズに問屋としての供給責任が果たせませんでした。特に保存食分野には注力しきれないといった苦い経験をすると同時に、被災地を目の当たりにし、『自分たちに何かできる事はないのか』と。当社は建築金物を通して、街づくりや人々の生活づくりをしてきましたが、“いざ”と言う時にお役に立ちたいという思いと苦い経験から、IZAMESHIを開発するに至ったのです」
パッケージも可愛らしく収納はコンパクト
Q:パッケージデザインはどのような基準で決めていますか?
A:「日常生活に馴染むデザインがこだわりのポイントです。保存食をしまいこんだまま期限がきてしまった……という事をなくすよう、日常使いという事を前面に出しました。災害時以外にも、体調が悪い時やおかずが足りない時の一品として、ちょっとしたいざという時にも使っていただき、IZAMESHIが身近な存在となればと思います」
リニューアルした商品パッケージ一部 [食楽web]
8月には、より商品の中身がわかりやすいようシンプルなパッケージにリニューアル。文字も大きく、英語表記も追加しています。
おいしさと保存性を両立する上で、「試作した時とレトルト加工した時で材料の形態と色、味の仕上がりがまったく変化してしまうことが一番の苦労。長期保存となると、使用できる食材も限られてしまうのでメニューの考案も制限され、商品数を増やす事にも苦労しました」とのこと。
長期保存のための専用パッケージを供給してもらえる会社を探すのも一苦労だったそうで、様々な企業の力が結集して作り上げられているということがわかりました。
「おいしそうなパッケージにワクワク」という被災者からの声も
「実際に届いたお客様からは、年明けに起こった能登半島地震で被災した方より、おいしそうなパッケージを見てワクワクしただけでなく、温めずに袋のまま食べたがとてもおいしかったと嬉しいお言葉をいただきました」と、購入者の満足度の高さも「IZAMESHI」がブランドとして10周年を迎えた理由の一つなのでしょう。
大きな肉団子がゴロンと入った「獅子頭」(シーズトウ)
実際にお話を伺ってみると、おいしさと保存性を両立するということがどれほど難しいことなのか、また、わかりやすさとおしゃれのバランスを取ることも非常に重要で、1品1品、考えつくされた商品であると知ることができました。
そして利用者の、「おいしそうなパッケージでワクワクした」という声が示すように、被災した時、ただお腹を満たすだけでなく、自分の心を守る一つの手段として、食事は重要な役割を担うのではないかと感じました。
「IZAMESHI」は、自宅のローリングストックとして、大切な人へのギフトとしても喜んでもらえそうですね。
(撮影・文◎亀井亜衣子)
●DATA
杉田エース株式会社
https://izameshi.com/