反対を押し切り導入した自慢の一品。その後は…?
結局、住宅用太陽光発電を導入した祖父。設置費は決して安くはありませんが、当時の売電価格も高額だったため、有益だと判断したのでしょう。工事中は、父の予想通り近所の人たちが「あんたのとこは何の工事をしているのか?」と声をかけて来ることもありました。もしかしたら、昔ながらの保守的なコミュニティの中で、祖父をいぶかしげに見る人もいたかもしれません。
私は祖父と両親のバトルどころか、太陽光発電の設置を検討していることも知りませんでした。県外から帰省して、瓦屋根の上にどーんと乗ったソーラーパネルを祖父に見せられ驚き、それを自慢する祖父をやっぱりなんだかかっこいいと思ってしまうのです。しかし、孫だから祖父の行動を尊敬のまなざしで見られるのであり、両親の立場だったら私も心配していたはず。祖父の買い物に振り回された両親は、かなり大変だったと思います。
その後も祖父は生前、両親の知らないところで新聞の折り込みチラシを観ては健康食品の定期購入を契約したり、少し怪しい水を購入していたりすることがしばしば。亡くなった後の遺品整理で発覚し、慌てて両親が解約するのを何度か目にしていました。
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まとめ
祖父が太陽光を導入してから20年以上たち、今では新築住宅にはほぼ太陽光発電を設置する時代に。思えば、パソコンも携帯電話も流行の波にいち早く乗っていた祖父でした。
太陽光事件をはじめ、何かと祖父に驚かされていた両親も、2011年の東日本大震災の翌年に自宅に太陽光パネルを設置。先日おこなった祖父の法要では、親族とも当時の話で盛り上がり、父は「当時はあんなに反対しちゃったけど、パソコンといい太陽光といい、親父には先見の明があったんだなぁ」としみじみ思い出していました。私は祖父のことは大好きでしたが、もし将来自分の両親が祖父のようになると考えると、なかなか厄介だなと感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)
著者/緒方 佳子
30代主婦。夫と娘の3人家族。家の庭の草を無心で取る作業が意外と楽しい。
地元の友人と集まると、痩せない悩みか体力が落ちた話で盛り上がっている。