サンドイッチをこよなく愛するパリ在住の文筆家、川村明子さん。『&Premium』本誌の連載「パリのサンドイッチ調査隊」では、パリ中のサンドイッチを紹介しています。
ここでは、本誌で語り切れなかった連載のこぼれ話をお届け。No44となる今回は、本誌に登場した『メメット』で惜しくも紹介できなかったサンドイッチの話を。


毎回恒例の川村さんによるスケッチ。今回はロールサンドなので、巻かれた状態と、巻く前の状態の2種類です!

ケバブサンドの店『メメット』に行ったのは。

長年飲食業に携わる友人が何度か足を運んでいたから。この人がリピートするならばおいしいに違いないと思ったのだが、なかなか行く機会が作れなかった。オープンしてからしばらくは夜のみの営業で、「行きたいな」とは思うのだけれど、ケバブサンドを夕食に食べる気分が、待てども湧いてこなかった。加えて、自宅からは45分ほどかかる距離なものだから、それなりのモチベーションが必要で、それもまた、夜はすっかり家で過ごすようになり、外食は月に1度するかしないかという私の重い腰を上げるまでには、湧いてこなかったのである。


放し飼いで育てられるノルマンディー産の鶏肉を使用。弾力ある肉質でジューシー。

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待ちに待った、ランチ営業スタート!

すると嬉しいことに、夏前から平日のランチ営業が開始された。それを知って、待ってました!とばかりに出かけた。が、その日、私は疲れていた。胃の調子が万全でなければ本来は行かないけれど、すでに私の食のスケジュールは満遍なく埋まっていて、そのお昼を逃したらだいぶ先延ばししなければならなかった。だから、思い切って、強行することにした。


余談ですが……。こちらは二度揚げするフリット。必食のおいしさです。