店に着いたら、ほとんど満席で。

細長い店内のいちばん奥にあるスツール席にどうぞと言われた。その場所を確認して私は、“注文を取りに来るまでに時間がかかるかもしれない”と思い、メニューを見るまでもなく、入り口で、ケバブサンドを注文。ところが、厨房で回転している肉の串焼きを横目に混雑を抜け、自分にあてがわれた席に座った途端に、迷いが顔を出した。“ベジタリアンにしたほうがいい気がする”“ケバブ、無理じゃない?”などなど弱気な心が私を揺さぶり、“今日の胃はお肉を受け止めきれない気がする”と思うに至った。作り始める前に言いに行かなければならない。急いで、先に注文を取ってくれた男性に向かい、「もしまだ作り始めていなかったらベジタリアンに変更したい」と伝えた。

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ぷっくりしたガレットが美しい、ベジタリアンロールサンド。


こちらが自家製ガレット。乾いて硬くならないよう袋に入れておく。


こちらがベジタリアンロールサンド。

そうして出てきたベジタリアンロールサンドは、白くぷっくりとしたガレット(生地)が美しかった。思わず触れたくなってしまう赤ちゃんのほっぺのように触り心地がよさそうだ。フェタチーズ、ディル、炒ったアーモンドとレタスに、ざくろの糖蜜をかけた具の組み合わせも興味深かったけれど、食べたらより一層ガレットに惹かれた。こんなにも柔らかな印象のガレットで作るケバブサンドは、どんな味なのだろうと思いを膨らませた。