水垢は換気だけでは防げないって本当?
浴室の換気扇をつけておけば、鏡の水垢は防げると考えている方も多いでしょう。
しかし、換気をするだけでは鏡の水垢を防ぐことはできません。
ここでは、浴室換気扇の役割を確認するとともに、換気だけでは水垢を防げない理由を解説していきます。
浴室換気扇の主な役割は2つ
換気だけで水垢が防げない理由をより理解してもらいやすくするために、まずは浴室換気扇の主な役割について解説します。
浴室換気扇の主な役割は、次の2つです。
・カビの抑制
・悪臭の防止
カビの抑制
浴室換気扇の主な役割は、浴室に溜まった湿気を外部に排出し、湿度を下げることです。
浴室を使った後、湿度が高いままだと、室温の高さもあわさってカビが繁殖しやすくなります。
しかし、浴室換気扇が機能していれば、内部の湿度を格段に下げることができ、次に使用するときにはカラッとした状態になっていることに気付くでしょう。
浴室換気扇をつけていなければ、快適な浴室空間は維持できないのです。
悪臭の防止
浴室換気扇のもう一つの役割が、悪臭の防止です。
浴室の中でもニオイの元になりやすいのが排水溝周りで、毎日掃除していても清潔な状態を完璧に保つことは難しく、換気扇をつけないと浴室内に排水溝から発せられるニオイが充満してしまうこともあります。
また、風呂釜内部の汚れも悪臭の原因になります。
見えている部分であれば対処しやすいですが、風呂釜の内部までは確認できません。
そのため、風呂釜内部に水が溜まって嫌なニオイを放つこともあるのです。
ニオイが気になるからといって、浴室換気扇をつけてもすぐに解消することは難しいので、悪臭防止のためには常時換気しておくことが大切です。
換気扇だけでは水垢を防げない理由
上記で説明した通り、浴室換気扇をつけっぱなしにしておけば、カビの繁殖や悪臭の発生は抑えられます。
しかし、水垢に関しては浴室換気扇では防げません。
なぜなら、水垢は水分が乾く過程で発生するものだからです。
換気扇をつけているからといって自然に乾燥するのを待っていても、結局は水分だけが蒸発し、ミネラル成分や石鹸カスは水垢となって残ってしまいます。
浴室の鏡の水垢対策として一番効果的なのは、「水分を残さない」ということです。
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水垢を落とすのは大変?水垢を防ぐには
軽度の水垢であれば、それほど苦労せずに落とせますが、頑固な水垢汚れは自分で落とすことが困難です。
そのため、普段から浴室の鏡は正しい方法で手入れを行って、そもそも水垢をつけないようにすることが大切です。
頑固な水垢を落とすのは至難の業
鏡が少し白くなっている程度の軽い水垢なら、クエン酸水や研磨剤入りのクリーナーなどを用いて落とせます。
しかし、水垢に悩むほとんどの人は、一般的に紹介されているような掃除方法は既に試しており、それでも落とせずにお手上げ状態となっているのではないでしょうか?
正直に言えば、素人が頑固な水垢を市販のクリーナーで落とすのは至難の業です。
そのため、どんなに頑張っても自分では落とせない水垢は、掃除のプロに任せるのが得策です。
プロの力を借りると、水垢をきれいに落としてもらえる上に、コーティングまで頼めば今までよりも汚れにくくなります。
しばらくは水垢の付着も防げて、カビの発生を防ぐ効果も期待できます。
水垢落としにコーティングまで依頼すると、金額が高くなることを心配する方もいるでしょうが、コーティングの質やメンテナンス次第では1年~3年ほど効果が持続するケースもあります。
自分では落とせない浴室の鏡の頑固な水垢に困っている場合は、掃除のプロに依頼することも検討してみてください。
浴室の鏡の水垢を防ぐ方法
ここでは、普段のお手入れで浴室の鏡の水垢を防ぐ方法をご紹介します。
お風呂から上がる時は、次の3ステップを取り入れて、鏡に水滴を残さないようにしましょう。
①鏡に飛び散った石鹸やシャンプーを落とす
入浴後は毎回、鏡に飛び散った石鹸やシャンプーなどの汚れをシャワーで洗い流しましょう。
シャワーをかけただけでは落ちない汚れがある場合は、柔らかいスポンジで軽く擦って落としてください。
石鹸カスをその都度落とすことで、白い粉末状の水垢ができることを防げます。
②鏡についた水分を拭き取る
浴室の鏡についた水分を放置すると、乾いた時に水道水に含まれるミネラル成分が個体となって残り、水垢が発生してしまいます。
石鹸カスを洗い流した後は、必ず乾いた柔らかいタオルで鏡に付着した水分を丁寧に拭き取りましょう。
この時、湿ったタオルを使うと、水分をしっかりと拭き取ることができないため、きちんと乾いたタオルを使うのがポイントです。
③しっかりと換気をする
鏡についた水分を拭き取ったら、しっかりと換気を行います。
浴室の換気は、水垢ができるのを防止するだけでなく、カビや湿気によって発生する悪臭を抑えることにもつながります。
お風呂から上がった後や掃除を行った後は、しばらく換気扇をつけて湿気を排出させましょう。
また、天気の良い日には窓を開けて自然換気を行うのも効果的です。
おすすめの水垢防止アイテム
浴室の鏡の水垢を防止するには、市販の便利な掃除アイテムも役立ちます。
ここでは、水垢防止におすすめのアイテムを3つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
水切りワイパー
1つ目のおすすめ水垢防止アイテムは、「水切りワイパー」です。
水切りワイパーはスクイジーとも呼ばれており、鏡の水切りはもちろん、壁や床、浴槽の水切りにも使えます。
これまでは、窓掃除や結露対策に使われるのが一般的でしたが、最近はカビや水垢対策として、浴室の水滴落しに使われることが増えてきました。
タオルを使って鏡を拭くと、どうしても拭きムラができたり、水滴が微妙に残ってしまったりすることがあります。
しかし、水切りワイパーを使えばひと撫でで水が切れ、水滴を残さずピカピカにできるのです。
ワイパー部分の幅や持ち手の長さは様々な種類があるため、自分の使いやすいものを選ぶようにしましょう。
浴室という比較的狭い空間で使用することを考えると、基本的にはコンパクトで取り回しの良いものがおすすめです。
中には、スティックタイプで別売りの延長ポールを接続して使用できるものもあり、これなら天井の水切りにも使えて便利です。
マイクロファイバークロス
2つ目のおすすめ水垢防止アイテムが、「マイクロファイバークロス」です。
鏡を普通のタオルで拭くと、拭きムラができたり、拭いた後にタオルの繊維がついたりすることがあります。
しかし、超極細繊維で作られているマイクロファイバークロスなら、普通のタオルに比べて非常に吸水力に優れているため、鏡の水垢の大敵である水滴を残さずキャッチしてくれる上、鏡に繊維がつくこともありません。
乾拭きと水拭きのどちらでも使用可能で、鏡に石鹸やシャンプーが飛び散った時もサッと拭けるので、浴室に一つは用意しておくと良いでしょう。
鏡の曇り止め
3つ目におすすめする水垢防止アイテムは、「鏡の曇り止め」です。
曇り止めで鏡をコーティングすると、水分や汚れが付きにくくなり、鏡をきれいに保てます。
毎日の手入れをもっと楽にしたい方は、チェックしてみてください。
市販の曇り止めには大きく分けて、液体タイプとフィルムタイプの2種類があります。
鏡に直接塗る液体タイプの曇り止めは、キャップを取って鏡全体に塗り広げるだけなので、初心者でも簡単に使えます。
デメリットとしては持続時間が短く、商品にもよりますが、だいたい入浴10回程度で効果が薄れてしまいます。
曇り止めの効果が感じられなくなってきたら、また塗り直す必要があります。
一方でフィルムタイプの曇り止めなら、液体タイプよりも長い期間効果を持続できます。
一度貼ると、1年程度効果が続くため、頻繁に作業したくない方におすすめです。
ただし、鏡の表面を覆うように薄いフィルムを貼っていかなければならず、慎重に作業を進めないと空気が入ったり、よれたりしてしまうため、初心者にはやや難しい作業です。
フィルムを貼る際は、少しずつ丁寧に気泡を押し出しながら貼り付けていきましょう。
シャワーに軟水器を取り付ける方法も
鏡にうろこ状の水垢がつく原因は、水道水に含まれているミネラルです。
そこで、有効な水垢対策としては、シャワーに軟水器を取り付ける方法もあります。
軟水器とは、カルシウムやマグネシウムを多く含む硬水を、軟水に変える装置のことをいいます。
つまり、軟水器をつければ水垢の原因となる水道水中のミネラル成分を減らすことができるのです。
軟水シャワーにすると浴室に水垢が発生しにくくなるだけでなく、石鹸やシャンプーの泡立ちが良くなったり、髪の毛が傷みにくくなったりするなどのメリットも享受できます。
シャワーの軟水器には、シャワーヘッドタイプとカートリッジタイプがあります。
シャワーヘッドタイプは、シャワーヘッドを交換するだけの軟水器で、1万円前後で購入できますが、軟水効果が比較的低いのが難点です。
もう一つの浴室の蛇口やシャワーに接続するカートリッジタイプは、価格が5~10万円前後しますが、シャワーヘッドタイプよりも軟水効果が高いです。
ただし、浴室に軟水器を置く必要があるため、購入する前に設置できるスペースがあるか確認しておきましょう。