修繕積立金が値上げされるのは本当?
修繕積立金は、マンションなどの維持に欠かせないものとなっていますが、値上げをしなければならないケースがあります。
最初から計画的に積み立てることもできたはずなのに、なぜ値上げが必要なのかをみていきましょう。
段階増額積立が主流になっているから
段階増額積立とは、最初の方は積立金を低く設定しておき、段階的に上げていくことです。
設定額を一律に徴収していく均等積立もありますが、多くのマンションで段階増額積立を採用することが多いため、次第に値段が上がっていくということです。
1980年代では、均等積立を採用しているマンションが約53%と半数以上あったのですが、2010年以降は段階増額積立を採用するマンションが約68%を占めるようになってきました。
マンションも年数の経過によって劣化していく部分も多くなりますが、修繕積立金の徴収額が増えたことで家計の負担も大きくなってしまう問題もあります。
国土交通省が2021年に調査した際には、マンション修繕積立金の徴収額が1戸あたり月額平均21.420円でした。
これは10年前と比較した結果、7,000円以上の上昇が確認され、平均3.6倍あったという計算になりました。
あまりに急激な値上げは、積立金の滞納に繋がる可能性もあるので気を付けなければなりません。
修繕費用そのものの相場が上がっているから
現在、日本ではほとんどの商品が値上がりしている状態です。
修繕費は、修繕した時にどれくらいのお金がかかったかによって金額が変わってきます。
社会情勢にも大きく左右され、さらなる物価の大幅高騰の可能性も否定できません。
そのため、修繕費用は行ったタイミングで大きく費用が変わってしまうことから、大幅な値上げになってしまうのです。
計画にない修繕が追加されるから
修繕費を積み立て始めた当初に予定していない工事が追加された場合、修繕積立金では足りなくなってしまう可能性があります。
このような計画にない修繕は、値上がりで補う以外に手段がないため、修繕費の値上げになるということです。
管理会社に任せているから
管理会社にマンションの修繕などを任せている場合、大規模修繕の費用も高額になりやすいでしょう。
修繕費が高額になれば、入居者への負担も大きくなってしまうのです。
マンション管理を管理会社に任せないのは、業務が多くなってしまい大変です。
しかし、修繕費の増額で入居者が減ってしまっては意味がありません。
このような場合、管理会社に任せるのではなく、理事代行の依頼や簡易アドバイザー契約などでプロの意見を参考にしながら修繕計画を立てるのがおすすめです。
大規模修繕に適した工事内容、費用であるか、無駄な内容や費用が含まれていないかを見極めてもらい、修繕積立金の値上げを抑えることができます。
ここまで、マンションの修繕積立金がどのような仕組みなのか、修繕積立金の使い道や計算方法、値上げの可能性などについてご紹介してきました。
マンションの修繕積立金は、基本的に大規模修繕工事などで使われます。
しかし、修繕時期によって費用が大幅にアップしてしまう可能性があり、この金額が負担になる入居者もいます。
修繕積立金を計画的に計算しておくことが大切です。