37歳の私は、ある日偶然見かけた情報から、これまで気にもしていなかった卵巣が気になり始めました。少しの体調不良や体型の変化を「卵巣がんではないか?」と悩んでいたのです。あるとき、下腹部の痛みに襲われ駆け込んだ病院で検査をしてもらうことに。そこで言われた意外なひと言とは……。

偶然見かけた卵巣がんの初期症状を見てまさか…

私は37歳のアラフォー主婦です。パートタイムの仕事と3人の子どもの育児に追われ、1日がいつも慌ただしく過ぎていきます。自分の体調管理や健康はつい後回し。検診や人間ドックに行くこともなく、バタバタと生活していました。

ある日スマホでYouTubeを見ていると、気になる動画が画面に映し出されたのです。それは「卵巣がんを疑うべき初期症状」を解説しているものでした。何げなく再生してみると、卵巣がんは沈黙の臓器と呼ばれ早期診断が難しく、診断が下るころには症状が進行している可能性が高い、と医師が話しています。

「卵巣がんって怖いんだ……」と他人事のように見ている私でしたが、その後に紹介された、よくある卵巣がんの初期症状が映された画面から目が離せなくなりました。腹部膨満感、下腹部痛、頻尿、食欲不振と書かれており、これらはどれもそのころ、私が気になっていた症状だったのです。「最近おなかが張っている感じがするし、下腹部痛もある。頻尿や食欲不振も気になっていたけど、まさか……」と気になり始めました。

動画では卵巣がんは突然発症するため、年1回の検診などで見つけられないケースもあることや、どんな年代も突然発症することがある、と解説されています。私は自分が卵巣がんかもしれない、と思い、だんだん恐怖を感じるようになりました。

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受診したら医師から思いがけないひと言が…

「卵巣がんなのではないか」という不安を拭えないまま、数日が過ぎました。寝ている娘たちの姿を見て、「もしかして重病だったら、この子たちの面倒を見てやれないのかな」と涙が出ることも。卵巣がんだと診断されたわけでもないのに……。

2週間ほどたったあるとき、下腹部痛が起こり、「もしや……」と卵巣がんのことが頭をよぎりました。ひとまず不安を拭うために婦人科を予約して、受診日を待つことに。

待ちに待った受診日、たびたび起こる下腹部痛や腹部の張りについて相談しました。医師は過去の出産でもお世話になった、かかりつけの産婦人科医です。久しぶりに婦人科の検査室に案内され、回転する椅子に座り、超音波検査をしてもらいました。

検査の後、医師は「うーん、子宮も卵巣もなんともないね、腫れもありません。婦人科的には問題ないですよ」と言いました。私は自分が「がんかもしれない……」と思い込んで、早とちりをしたことが恥ずかしく、「なんともなかったのにひとりで騒いで申し訳ないです」と謝りました。産婦人科はいつも人が多く、順番を待つ妊婦さんや病気の診察を待つ患者さんたちの邪魔になってしまったことを申し訳なく感じたのです。

ところが医師は思いがけず声をかけてくれました。

「変だと思ったり、病気かもしれないと思ったりしたときは、検査に来てください。何もなければそれに越したことはない。受診をちゅうちょしたことで手遅れになることもある。早く見つかれば、治療ができる病気もあるでしょう」と。