マイホームを購入する際に多くの人が悩むポイントとして「マンションにすべきか一戸建てにすべきか」があります。
中には、マンションの購入を考えていたけれども、両者を比較するうちにマンションのデメリットばかりが多く目につくようになり、迷いが生じている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、マンションのデメリットからマンションの購入で後悔した事例、一戸建てとの比較、マンション購入で後悔しないためのポイントまで解説していきます。
マンションか、それとも一戸建てかを決めかねている方は、ぜひ参考にしてみてください。
マンションのデメリット
マンションのデメリットとしてよく挙げられるのが次の5点です。
・騒音トラブルが起こりやすい
・管理費や修繕積立金を払わなければならない
・駐車場代が別にかかる
・自由にリフォームやリノベーションができない
・管理規約によって生活に制限がある
ただし、これらを実際にデメリットと受け取るかは人それぞれのため、以下で解説する内容を確認した上で判断してみてください。
騒音トラブルが起こりやすい
マンションで暮らす上でまず懸念されるのが、騒音トラブルです。
様々な人が集まって暮らすマンションでは、壁・天井・床を1つ隔てた向こう側で赤の他人が生活しています。
そのため、生活音や足音、子どもの泣き声などが響き、ストレスを感じたり睡眠を妨げられたりすることもあるでしょう。
特に、古いマンションの中にはちょっとした生活音でも大きく響いて聞こえる物件もあります。
最近は防音性に優れたマンションが増えてきているので、新しいマンションほど騒音トラブルは少なくなっています。
それでも夜遅い時間帯に大きな物音を立てないようにするなど、隣接する部屋の住民に対する配慮が不可欠です。
管理費や修繕積立金を払わなければならない
戸建てにはないマンション特有の出費として、管理費と修繕積立金があります。
管理費は共用部分の清掃や設備のメンテナンスなどに当てるために、修繕積立金は建物の修繕が必要になった時のために毎月集金されます。
どちらもマンションに住んでいる限り、必ず払い続けなければならない費用です。
国土交通省は、管理費や修繕積立金の相場について5年ごとに調査を行っており、「平成30年度マンション総合調査」によると管理費の平均月額は1戸あたり15,956円、修繕積立金の平均月額は12,268円となっています。
つまり、住宅ローンに加えて毎月30,000円前後の出費を求められるということです。
戸建てでも築年数が経過すれば、外壁塗装やリフォームなどの費用はかかってくるため、一概に管理費や修繕管理費が発生することがマンションのデメリットだとは言い切れません。
むしろ自分でリフォーム代を計画的に貯める自信がない方にとっては、毎月必ず費用を積み立てられるマンションの方が合っている場合もあります。
駐車場代が別にかかる
車を所有していてマンションの敷地内にある駐車場を借りる場合は、管理費や修繕費などの固定費に加えて駐車場代もかかります。
中には駐車場が併設されておらず、マンションから離れた場所に位置する駐車場を別途借りなければならないケースも存在します。
駐車場代の相場はマンションや土地によっても異なりますが、1ヶ月あたり5,000円~1万円程度が目安です。
特に都心部は駐車場代が高く、月に15,000円以上かかることもあります。
駐車場代で家計を圧迫してしまわないように、しっかりとした支払い計画を立てることが大切です。
自由にリフォームやリノベーションができない
マンションには管理規約があって、リフォームやリノベーションを自由に行うことはできません。
ベランダ、扉、窓などは区分所有者に使用権がありますが、管理規約では基本的に共用部分として定められているため、勝手にリフォームをしてはいけないのです。
また、室内のリフォームも管理規約で制限されているケースが多く、工事をする場合は規約の範囲内で行う必要があります。
中古マンションを購入してリノベーションを行いたいと考えている場合も、あらかじめ不動産会社に相談し、工事が可能かどうか確認しなければなりません。
そのため、DIYが好きな方や自分好みの部屋を追求したい方には、デメリットに感じられるでしょう。
管理規約によって生活に制限がある
リフォームやリノベーションの工事以外にも、マンションの管理規約には様々な制限があります。
例えばペットの種類や飼育数、楽器の演奏時間、ゴミの出し方など、共用部分を適切に管理するためにも、また住民同士のトラブルを防ぐためにも、管理規約で細かくルールを定めているマンションがほとんどです。
これらの規則に従うことなく自分勝手に生活してしまうと、他の住民との大きなトラブルに発展しかねません。
管理規約によって我慢を強いられる生活が苦手な方は、マンション生活には向いていないと言えます。
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マンションの購入で後悔した事例【性能・特徴面】
上記ではマンションのデメリットを解説してきましたが、もちろんマンションならではのメリットもあります。
では、マンションの購入で後悔する原因とは何なのでしょうか?
ここからは、マンションの購入後ありがちな後悔のうち、性能や特徴面における6つの後悔についてご紹介していきます。
高層階を選んだことで地震への不安を感じる
マンションの高層階は眺望や日当たりが良いことで人気がありますが、地震時の揺れによる恐怖が盲点となりがちです。
新築のマンションであれば、現在の耐震基準を満たして建築されていることがほとんどですが、築年数が古いマンションの場合は、旧耐震基準で建てられていることも多いです。
そのため、地震が起きた時に高層階が大きく揺れて、耐震性に大きな不安を抱く方もいるでしょう。
地震の多い日本でマンションに住む場合、災害時のことも考慮した部屋選びが重要になります。
窓が一方向にしかないため日中でも部屋が暗い
一般的にマンションの部屋は、角部屋を除いては窓が一方向にしかありません。
そのため、低層階だったり周囲が他の建物に囲まれていたりすると日中でも部屋が暗く、1日中照明をつけているという家庭も多いです。
既存のマンションであれば事前に日当たりを確認してから購入することもできますが、建築前の新築マンションを購入する場合は確認できないため、実際に住んでみてから気づき、後悔している方もたくさんいます。
特に近年は電気代が高騰している傾向にあるため、少しでも電気代を節約したい場合は注意が必要です。
間取りが生活スタイルに合っていなかった
実際にマンションで生活し始めてから、動線が悪かったり荷物が収納スペースに入りきらなかったりして不便さを感じるケースもあります。
マンションの購入は、人生の一大イベントとも言える高額な買い物であるため、何度も足を運んで気になる部分がないかチェックしましょう。
備え付けの家具は、見た目だけでなく使い勝手が良いかどうか、メンテナンスや買い替えの際に費用が高くならないかなども考慮して判断します。
モデルルームに納得のいくまで通い、実生活をイメージしながら徹底的にチェックすることで、マンション購入後の後悔を減らせます。
駐車場や駐輪場が使いにくかった
部屋やマンション内の設備は完璧にチェックしていても、駐車場や駐輪場まではよく確認しておらず、後悔するパターンもあります。
マンションによっては、駐輪場に台数制限があって家族全員分の自転車を停められなかったり、入居後に駐車場が抽選制であることを知ったりするケースも少なくありません。
他にも、2段式ラックの駐輪場で抽選の結果上段になったが、女性や子どもには利用しにくいといった不満も聞かれます。
電動自転車の場合は男性でも上段にしまうのは難しいでしょう。
マンションの中の設備だけでなく、駐車場や駐輪場についても所有している車や自転車のサイズ、台数などと照らし合わせて確認しておかないと、場合によっては手放さなければならなくなることも考えられます。
将来の資産価値が残りにくい
マンションの資産価値とは、マンションの土地と建物が持つ市場価値や評価額のことをいい、「売却価値」と「収益価値」という2つの側面から考えられます。
売却価値は、所有するマンションを売却した時にいくらで買われるかを表し、基本的に新築時が最も高額で、築年数が経過するとともに低下していきます。
マンションの土地の権利は個々ではなくすべての住民が共有しているため、建物の築年数が資産価値に直結しており、将来的に資産価値が残りにくいのです。
一方、収益価値はマンションを賃貸住宅として貸し出した際、どれくらいの収益を得られるかを表し、築年数だけでなく設備の性能や周辺環境、入居者のニーズでも大きく左右されます。
つまり、中古マンションであっても周辺環境や市場ニーズの変化によって資産価値の値下がり率が低かったり、反対に値上がりしたりする物件もあるということです。
マンションを終の棲家として考えているのであればそこまで気にする必要はありませんが、将来住み替えることを視野に入れている場合は将来の資産価値が見込めるマンションを選ぶのが得策です。