二日目に出会った礼文の植物12種
Terence Toh Chin Eng/Shutterstock.com
二日目は、海の幸が中心の朝食でスタートです。午前中は生憎の小雨で真冬並みの寒さでしたが、午後からは天気が回復しました。朝、フェリーで礼文島に渡りました。
早速北上し、今回のツアーのメインイベントである礼文島にしかない固有種のレブンアツモリソウの群生地へ。バスを降りて少々歩きましたが、小雨はさほど大したことが無かったものの、冷たい強風が吹き、まるで真冬のような寒さでした。
礼文敦盛草
レブンアツモリソウ
レブンアツモリソウ(礼文敦盛草)の開花は、6月に限られています。この日をめがけてタイミングを合わせたツアーでしたので、寒空の下で無事出会うことができました。ぷっくりとしたクリーム色の可愛らしい花です。この日、花が小雨に濡れていましたが、かえって情緒がありました。
延根千鳥
ノビネチドリ
この群生地には、ラン科のノビネチドリ(延根千鳥)も咲いていました。和名の由来は、根が横に伸び、花の形が鳥の飛ぶ姿に似ていることに由来しているそうです。このノビネチドリは、その後もあちこちで見かけました。
春咲山芥子
ハルザキヤマガラシ
黄色い花を見つけましたが、ハルザキヤマガラシという名でした。ヨーロッパ原産の多年草です。貴重な植生環境の場所にも入りこんで繁茂し、問題になっているようです。
次は直ぐ近くの澄海岬(スカイ岬)へ。透明度の高い青い海で有名な観光スポットで、歌手の中島みゆきさんが「銀の龍の背に乗って」のPVの撮影を行ったことでも有名です。残念ながら青空は見えませんでした。
しかし、途中の小路にはネムロシオガマや、エゾイヌナズナ、エゾシシウド、ハクサンチドリなどを見ることができました。
根室塩竈
ネムロシオガマ
ネムロシオガマ(根室塩竈)は、根室という名がついているとおり、北海道本土でも海岸を中心に見られます。葉がシダのように繊細できれいな宿根草です。
蝦夷犬薺
エゾイヌナズナ
エゾイヌナズナ(蝦夷犬薺)は一見、アリッサムに似ています。イヌナズナといえば、普通は黄花ですが、エゾイヌナズナは白花で、アリッサムとも同じアブラナ科です。
蝦夷猪独活
エゾシシウド
エゾシシウド(蝦夷猪独活)は、草丈100~150cmの大型多年草で、海岸近くに群生していました。イノシシが食べそうな花なので、この名前が付いたそうです。
白山千鳥
ハクサンチドリ
ハクサンチドリ(白山千鳥)は、石川県の白山に多く見られるので、この名前がついたそうです。本州では標高が高い山に登らねば見られない高山植物が、一度にまとめて見られるのが、礼文島訪問の魅力ですね。
岩弁慶
イワベンケイ
イワベンケイ(岩弁慶)は多肉植物扱いされることもあり、最近はサプリでも有名ですが、もともとは高山植物だったのですね。
礼文岩蓮華
レブンイワレンゲ
イワレンゲ(岩蓮華)は多肉植物でお馴染みですが、メキシコ原産だと思っている方も多いのでは? 一般的なイワレンゲは、本州の沿岸の関西以西地方の海岸に育ち、あまり耐寒性が無いと思っていました。見た目はイワレンゲと余り変わらないレブンイワレンゲ、こんな寒い礼文島に自生しているとは、本当に驚きです。
蝦夷延胡索
エゾエンゴサク
エゾエンゴサク(蝦夷延胡索)は、生薬に使用されるヤマエンゴグサと似ていますが、苞の形が異なります。
千島風露
チシマフウロ
利尻でも出会った礼文のチシマフウロ。フウロソウ科フウロソウ属の多年草です。別名は、エゾフウロ、エゾノフウロ、トカチフウロ、ハクサンフウロなどがあります。チシマフウロは、園芸用に栽培されることもあります。
チシマフウロソウとセンダイハギのコラボ。
深山金鳳花
ミヤマキンポウゲ
北海道から本州中部の高山の草原に生えるミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)は、特に湿り気のあるゆるやかな斜面では大群落をつくることもあります。初夏の高山の草原を彩る花の代名詞ともされています。
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礼文苧環10種の礼文の植物を一気見!
昼頃から天気が回復しました。昼食も海鮮です。これからご紹介する種類の中には、すでに登場しているものもありますが、あちらこちらで咲いていた様子を景勝地も交えてお伝えしたいと思います。
桜草擬
サクラソウモドキ
サクラソウモドキ(桜草擬)は、サクラソウ科サクラソウ属の多年草です。別名は、チシマサクラソウ、エゾサクラソウなどがあります。栽培も比較的容易です。日当たりと水はけのよい場所で育てると、よく育ちます。
礼文苧環
ミヤマオダマキ(レブンオダマキ)
レブンオダマキは礼文島のみに生息します。青紫色または白色です。北海道本島にはミヤマオダマキが生息し、白、紫、ピンクです。
今回の旅行で、野山に限らず街中の住宅の庭にもレブンオダマキが植えられているのを各所で見かけ、一番多く見かけた花の一つです。関東地方でも西洋オダマキはガーデニングでも一般的ですが、利尻・礼文島に原種が沢山咲いていたのには驚きです。
根室塩竈
ネムロシオガマ
ネムロシオガマ(根室塩竈)は、別名エゾシオガマとも呼ばれています。ネムロシオガマは、絶滅危惧種に指定されています。
礼文小桜
レブンコザクラ
一見、日本桜草かと思いましたが、レブンコザクラは、礼文島の代表的な花の一つであり、花期は5月下旬~6月上旬。礼文島の高山地帯では一面をピンク色に染めるほど咲き誇ります。
桃岩は、北海道礼文町にある景勝地です。日本海の断崖絶壁に突き出た巨大な岩で、その形が桃に似ていることから名付けられました。
舞鶴草
マイヅルソウ
マイヅルソウ(舞鶴草)は山野草としてはポピュラーですね。本州の高山地帯に分布し、ブナ林などの林床に生えています。栽培も比較的容易で、日当たりと水はけのよい場所で育てるとよく育ちます。
蝮草
マムシグサ
マムシグサ(蝮草)は、サトイモ科テンナンショウ属の多年草です。別名は、ヘビノダイハチ、ヤカゴンニャク、ムラサキマムシグサ、アオマムシグサ、ヤクシマテンナンショウなどがあります。
日本全国の山野に生え、やや湿った場所に多く見られます。茎には紫褐色の模様があり、マムシの皮膚の模様に似ていることからマムシグサという名が付けられました。
延根千鳥
ノビネチドリ
ノビネチドリは、ラン科ノビネチドリ属の多年草です。別名は、ネジバナ、ネジバナソウ、ネバナなどがあります。
朝霧草
アサギリソウ
アサギリソウ(朝霧草)は、2000年のガーデニングブームの頃、人気があり、原生地はイギリスかヨーロッパかと思っていました。まさか、礼文島に原生しているとは! 見つけた時は、またまた驚きです。日本全国の山地や亜高山帯に分布しているようです。
白毛菊葉鍬形
シラゲキクバクワガタ
シラゲキクバクワガタ(白毛菊葉鍬形)は、ゴマノハグサ科多年草植物です。別名にキクバクワガタ、ゴマノハグサモドキなどがあります。
礼文島のみならず北海道の高山帯に分布し、岩場や海岸の岩礫地などに生えます。草丈は5~25cmほどで、全体に白い毛で覆われています。
礼文島の地蔵岩は、北海道礼文島の元地海岸(もとじかいがん)に位置する高さ約50mの奇岩です。2つの切り立った岩が手を合わせた姿から地蔵岩と呼ばれています。近くにあるメノウ海岸は、その名のとおりメノウの原石が拾えることで知られるほか、夕日の絶景スポットとしても人気です。地蔵岩は、礼文島の三大奇岩(猫岩・桃岩・地蔵岩)の1つとしても知られています
蝦夷薄雪草
エゾウスユキソウ
エゾウスユキソウ(蝦夷薄雪草/レブンウスユキソウ)は、北海道礼文島にのみ分布する固有種で、高山帯の草地や岩場に生えます。
利尻紫雲英
リシリゲンゲ
リシリゲンゲ(利尻紫雲英)は、マメ科オヤマノエンドウ属の多年草植物です。リシリシウンエイとも呼ばれています。
姫石楠花
ヒメシャクナゲ
ヒメシャクナゲ(姫石楠花)は、ツツジ科ヒメシャクナゲ属の常緑小低木です。別名は、ニッコウシャクナゲ(日光石楠花)です。
蝦夷伊吹虎の尾
エゾイブキトラノオ
エゾイブキトラノオ(蝦夷伊吹虎の尾)は、タデ科イブキトラノオ属に属する多年草です。