日本最北端の植物に触れる旅を終えて
以上約36種の植物を紹介しましたが、現地では、夏時期は咲く花が2週間ごとに替わると言われ、短い期間しか見ることのできない花も多いようです。その年の気候によっても開花時期も異なり、高山植物を見る旅のタイミングは難しいものですが、巡り合えた時の感動と驚きは格別ですね。
ガーデニングを愛する私たちは、日常的にさまざまな品種改良された園芸品種に接していますが、今回の旅を通して、最近、ガーデニングで人気の園芸植物のじつに多くの原種が利尻・礼文島には存在していることを知ることができました。
利尻島 Robert Harding Video/Shutterstock.com
その原種が大自然の野に凛として咲く姿は、園芸品種とは異なった生命力にあふれ、パワーのある純粋な美しさでした。今回の花旅は、本当に驚きの連続でしたが、日本列島にも、じつに多くの高山植物が咲く大自然が残っていることに感動し、この自然を大切に後世に残せたらと、純粋な気持ちになりました。
Credit
文&写真(クレジット記載以外) / 遠藤 昭
– 「あざみ野ガーデンプランニング」ガーデンプロデューサー –
えんどう・あきら/30代にメルボルンに駐在し、オーストラリア特有の植物に魅了される。帰国後は、神奈川県の自宅でオーストラリアの植物を中心としたガーデニングに熱中し、100種以上のオージープランツを育てた経験の持ち主。ガーデニングコンテストの受賞歴多数。川崎市緑化センター緑化相談員を8年務める。コンテナガーデン、多肉植物、バラ栽培などの講習会も実施し、園芸文化の普及啓蒙活動をライフワークとする。趣味はバイオリン・ビオラ・ピアノ。著書『庭づくり 困った解決アドバイス Q&A100』(主婦と生活社)、『はじめてのオージープランツ図鑑』(青春出版)。