目指すは事件の「口論化」
クイーン・アーカイブさんは韓国メディア朝鮮日報にて、チャットルームを見た感想を以下のように述べています。
「リング工房(リンク共有部屋)に入るとリンクがあり、そのリンクに乗るとまたリンクがあり、そのリンクに乗るとまたリンクがあり、延々と続いていた。(中略)多くの人から通報があり、DMが1分間に8件ずつ送られてきた。被害学生の話を聞き、トラウマを一緒に経験した」
また、今回のNewSphereに対する取材では日本の人々に向けて、「似たような事件が他の国でも確認されているようです。
大韓民国が一番ひどい国ですが、他の国でもいつでも似たような事件が起こる可能性があるので、警戒してください。
大韓民国の男性は外国人女性に関する部屋もすでに作って公論化されました。
男性の国籍は国ではなく、性別です」とコメントを残しました。
もう一人のインフルエンサー、バン・ソユンさんのアカウントは元々漫画のファンアカウントでした。
しかし、ディープフェイク・ポルノ事件が発覚してから、XのDM機能を通じて被害状況の情報提供を受け、掲示物を掲載して公論化しています。
そのきっかけとなったのが、母校が受けた被害でした。
「私が卒業した中学校と高校、そして在学中の大学がすべて今回の事件の被害学校として名指しされました。
このことが私と関係のない事件ではなくなったという感じを受け、今回の事件を集中的に調査することになりました。
韓国では以前にも性犯罪が頻繁に発生していました。
私は今回の事件がn番部屋事件の延長線だと見ています。
その時、まともに処罰されず、まともな制裁が加えられなかったせいで、むしろテレグラムというサイトを通じた犯罪方式がより広く広がり悪用される契機として作用したのではないかという気がします」
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実際に寄せられている提供情報の内容
DM相談を受け付けているバンさんですが、2024年8月26日午前12時30分から28日朝までに受信した被害情報の提供DM数は約3000件にも上るといいます。
その一部を相談者同意の上、提供してくれました。
提供画像では、姉妹のディープフェイク・ポルノを依頼するやりとりや、女性への侮辱発言、被害者の個人情報を拡散するメッセージが確認されています。
ここで拡散されている情報やポルノは、加害者が自分の友人や家族を密かに撮影した写真、トイレに設置された隠しカメラ、また被害者のインスタグラムから素材を入手し、生成されているといいます。
「親族被害がかなり多かったです。 男兄弟が自分の兄弟姉妹を性的対象化させたことがとても多かったです」とバンさんは語ります。
また、自身の母校のように学校単位での被害も深刻だといいます。
バンさんが確認した限り、被害学校は630校以上で、被害者も加害者も同じ学校に通う未成年の生徒です。
学校専用のチャットルーム内では、生徒や教師の盗撮写真やインスタグラムに投稿された写真などを共有し、セクハラ、陵辱する発言がされているといいます。
最後に、バンさんは日本人に向けてこのようにコメントしました。
「どこも安全ではありません。でも、被害に遭わないように気をつけろと言いたくはありません。
犯罪は、被害者が何かに気をつけないために生じるものではありません。
犯罪者にならないように気をつけてください。 不健全で不健康なことに加担しないでください。
道徳的でないことに参加しないでください」
韓国メディアの中央新聞によると、政府は30日にディープフェイク・ポルノの視聴をも厳罰対象にし、ディープフェイク・ポルノの製作及び流布に対する処罰基準も5年から7年に変更するなど、犯罪を根絶させようとする姿勢を見せています。
日本でもXやdiscordにおいて女性の個人情報を流出させたり、盗撮写真を共有するコミュニティがあることから、対岸の火事だと思ってはいけません。
ひとりひとりが事件への見識を持ち、卑劣な性犯罪を許さない国際社会を作っていく必要があります。