無償労働時間の格差・諸外国との比較
ここからは、家事や育児というお金を伴わない労働、つまり「無償労働」について見ていきましょう。内閣府の男女共同参画局の男女共同参画白書によると、OECD(経済協力開発機構)が示す2020年時における1日の無償労働時間は、日本男性41分に対して日本女性224分となっており、女性は男性の5.5倍無償労働をしているという結果が示されています。
この男女差は、諸外国の中でも日本が際立っています。次いで韓国が4.4倍、イタリア2.3倍です。これらは、家事や育児の負担が女性に偏っているということですが、必ずしも日本男性が怠けているから女性に負担が掛かっているというわけではありません。
何故かというと、日本男性の有償労働時間、つまり会社での勤務時間は諸外国に比べ長いためです。同資料で示されている、男性の有償労働時間は、日本452分に対し、韓国419分、カナダ341分となっています。
さらに、共働き家庭が増える中、日本女性の有償労働時間が増える傾向にあることも特徴です。10年前となる2014年の有償労働時間はOECD平均215分ですが、日本女性はそれよりやや少ない206分でした。それが、2020年には平均218分に対し、日本女性272分と平均を大きく上回っているのです。
つまり日本人女性は、家事に負担がかかる中で仕事の時間も増えており、働きすぎということが言えます。とはいえ、男性労働時間も諸外国に比べ長いわけですから、日本全体で労働への考え方を変えていく必要がありそうです。
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世帯年収を増やすには?お金と働き方のバランスとは?
世帯年収を増やすには、一人で頑張るより「ダブルインカム」を得ることが最も効果的です。
家庭環境や価値観によって選択は異なりますが、お金のことだけを考えると、できるだけキャリアを中断せずに仕事を続けた方が良いことは前述の通り。一度退職する場合でも、可能なら社会復帰に向けて育児期間中に資格を取得するなど、自分のキャリアを積み上げることも考えてみましょう。
かくいう筆者は出産に伴い仕事を辞め、子育てだけをしていた期間が6~7年あります。筆者の場合、3人目の子を出産して間もなくファイナンシャルプランナー(FP)の勉強を始めました。資格取得後は、無理のないパート勤務からスタート。
特に独立することを目指していたわけではありませんが、結果として今は独立開業し、毎日、悪戦苦闘で頑張っています。途中から扶養を外れましたので、ねんきん定期便の金額も少しずつ増えているところです。
子供が小さいうちは特に、家事や育児が大変です。家のことが中途半端になることもあり度々反省も。でもそんなダメな自分も含め、精一杯やれたという満足感はあります。色んな考え方があるため正解はありませんが、参考になりましたら幸いです。
今回は共働きが増える中で、女性の働き方についてみてきました。簡単にまとめます。
・働き方の違いによって夫婦の生涯収入は2億円の差となる
・働き方によって、公的年金の受取総額にも差が出る
・子育て世帯の平均所得は約810万円で年々上昇しており共働きが増えていることが理由
・とはいえ、女性の平均年収はどの年齢でも300万円台で推移している現状もある
・諸外国と比べ男性の労働時間は長く、女性は仕事と家庭での労働時間が増えている
・ライフプランを叶えるためにキャリアプランを考えることも大切
一度の人生。自分や家族にとって幸せなライフプランやワークプランは何かを考えていきたいものです。もちろん働くだけでなく、NISAやiDeCoを活用した資産運用も取り入れて資産形成に繋げましょう。