「4回もデートしているのに進展なし」毎回素敵なお店でご馳走もしてくれるけど、彼は何考えてるの?

男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

—あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:「真剣に考えている」初デートで男に言われた34歳女。しかし、2回目以降、彼の連絡が途絶えたワケ

大人の恋愛は、どうしてこうも難しいのだろうか。

20代前半くらいまでは、ただ「好き」とか「嫌い」の単純な関係だった。それに、実る恋はとんとん拍子に進んだし、実らない関係はすぐに結果が出た。

でも30代に入って、恋愛が複雑化している気がする。特に、今回の涼との関係は難解だ。

食事は、5回もした。そのうち二人きりでの食事は4回。毎回素敵なレストランで、涼がご馳走してくれる。

でも、二人の関係は何も進んでいない

彼は、何も言ってこないし、ただ食事をするだけで毎回終わる。

嫌いな女性と、二人きりで何回も食事に行かないと思うけど、果たして、涼の目的は一体なんなのだろうか…。



Q1:男が初めて食事へ行った時の感想は?



涼とは、友人の紹介で出会った。「彼氏が欲しい」と叫ぶ今年で35歳になる私に、女友達の真由が紹介してくれたのが、涼だった。

最初は、真由と私、そしてもう一人の女友達を呼んで、3対3での食事会。

真由の幹事力は素晴らしく、食事会の前にこっそり、LINEが送られてきた。

― Mayu:夏子は絶対、涼くんだと思う。バツイチだけど今独身で、自分で会社も経営していて。お金もあるし、優しくて良い人だよ!

涼は、今年で43歳、身長は高い方ではないけれど、話は面白い。元々IT関連会社にいたが、そこから独立して10年だという。

真由の言葉通り、食事会で私と涼はとても会話が弾み、すぐに彼から誘われてデートする流れとなった。

そんな涼が初デートに予約してくれていたのは、浅草にある「生ハムが主役のイタリアン」という『nacol』だった。

前々から気になっていたコンセプトのお店だったので嬉しかった。実際に訪れると、様々な生ハム料理が出てきて思わず唸ってしまう。

「涼さんって、グルメなんですね」

「そうかな。食べることが好きで。夏子ちゃんは?普段、どういうお店へ行くの?」

「私は結構ミーハーなので、流行りのお店とか好きです」

「最近は?どこか良いお店あった?」

私より8歳年上の涼。きっとモテるだろうし、他に女性もいそうな雰囲気も漂う。

20代の頃だったら、絶対に「彼女、本当にいないんですか?」とか聞いていたと思う。

でもここで「いる」と言われたら終わりだし、先もない。

悩んだ挙げ句、私は何も聞かないことにした。

「わぁ、美味しい♡」

「群馬川場ブッラータ、妃メロンとフルーツトマト」を食べながら、とりあえずは当たり障りのない話をして盛り上げる。

ミルキーなブッラータと、バイヨンヌ産21ヶ月熟成の生ハムの組み合わせが絶妙で、思わず満面の笑みが溢れる。

「夏子ちゃんって、本当に美味しそうに食べるね」

「バレました?食いしん坊で…」

「いいじゃん、最高。何か好きな食べ物とかあるの?」

「いっぱいありますよ!」

こうして、ひとしきりグルメ談話で盛り上がる。最初は、ただの食事相手で終わるのかと思っていた。

しかし2軒目へ移動した際に、涼は私に対して恋愛感情をハッキリと示してきた。

「ちなみに、夏子ちゃんって今彼氏いるの?」

「私はいないですよ」

「そうなんだ、良かった。また食事に行かない?二人きりで」

彼氏がいなくて「良かった」と言う。そして「二人きり」を強調してくる…。

多少なりとも私に好意か興味はある、と捉えてもよいかなと思う。

それに紹介してくれた真由になんとなく探りを入れてみたところ、「夏子のこと可愛いって言ってたよ」と言う。

こうして、私たちは二度目のデートをすることになった。

― よし、これで私も彼氏ができる…!!

そう思っていた。



Q2:毎回、食事だけで終わる理由は?



しかし事態は、思わぬ方向に進んでいく…いや、進まないままだった。

二度目のデートで、私は進展するのではないかと期待していた。しかし二度目はアッサリと解散になり、三度目の食事デートも、何もなく終わってしまった。

この三度目のデートの後、私は大きな疑問を抱くことになる。

― 涼は、私のことを女として見てない…?

下手に手を出してこないのは素晴らしい。男性として、100点をあげたい。しかし、ここまで何の進展もないと涼が何を考えているのか、段々わからなくなってくる。

そして何もないまま迎えた四度目のデート。

この日も、涼は美味しいお店へ連れていってくれた。

「涼さんって、本当にいつも美味しいお店へ連れていってくれますよね。ありがとうございます」

仮に、これで支払いが折半ならばグルメ仲間か食事相手を探している、と簡単に理解できる。

しかし毎回涼が支払いをしてくれるし、私の持ち出しはない。

「でもさ、結局食事って。誰と食べるかが一番大事だよね」

そして今日も、涼は思わせぶりなことを言ってくる。もう大混乱だ。涼は一体何を考えているのだろう。

でもここで、ガツガツと「私たちって、この先どうなるんですか?」と聞くのも何かが違う。

これは涼のタイミングを待つべきなのか、何なのか…。そう思いながら、自分的にギリギリの質問で攻めてみる。

「涼さんって、好きな人ができるとどうなるんですか?自分から行くタイプですか?」

「僕?そうだなぁ。自分から行くけど、最近はもうガツガツいく体力がないかも」

「でも、すごく好きな子ができたらどうするんですか?」

「そしたら積極的に行くかもだけど…」

ということは、私は“すごく好きな子”ではないということだろうか。

決定打がないから私を口説いてこないのだろうか。

「夏子ちゃんは?結構自分から行く人?」

「いえ、私は全然自分から行けなくて…。基本的に待ちですね」

「そうなんだ。大人になると、難しいよね、恋愛は」

それらしいことを言われ、それ以上何も言えなくなる。

そう、大人の恋愛は難しい。傷つきたくないし、傷つけられたくない。でも先には進みたい。

そもそも、涼は私のことをどう思っているのかがまったくわからない。

この日は食事を終え、2軒目にも行った。でもお酒が進んで楽しくなっても、涼は基本的にそれ以上の距離を詰めてこない。

果たして、この“食事だけの関係”のゴールはなんなのだろうか…。



▶前回:「真剣に考えている」初デートで男に言われた34歳女。しかし、2回目以降、彼の連絡が途絶えたワケ

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

▶NEXT:9月22日 日曜更新予定

男が距離を詰めてこない理由は?