料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。1年目8月のテーマは、「酸味のチカラで残暑を乗り切る」。3つのレシピを紹介します。
レモン、トマト、赤ワインビネガーにバルサミコ酢。おいしく酸味を取り入れて夏バテ知らずの体に。
酸味のチカラで残暑を乗り切る。
先生:ねぇ直子さん、この夏はまだまだ暑いのかしら? さすがに少し弱ってきたわよね。
生徒:前回までは夏バテ知らずの私でしたが、ここに来てついに弱気になっています。気づけば素麺ばかり茹でてますし……。
先生:夏の疲れた体は酸味を欲しがっているの。お酢やレモンを取り入れて、残暑を乗り切れるような体にリセットしましょう。
生徒:頼りにしておりますっ!
先生:最初に、「トマトと赤ワインビネガーの冷たいパスタ」のソースを仕込みたいので、トマトの湯むきから始めますよ。ヘタを取ったら十字に切れ目を入れて。お湯に10秒くぐらせてから氷水につけて皮をむきます。
生徒:いとも簡単にむけました!
先生:次にトマトを4等分のくし形切りにして、横半分に切ります。みじん切りにした赤玉ネギを塩でなじませて、水にさらしてからザルにあげて、水気をよくきりましょう。
生徒:これをミキサーにかけるんですね!
先生:その通り。ミキサーにはさらに、ニンニク、赤ワインビネガー、オリーブオイル、粗塩を加えて、なめらかになるまで撹拌したら、冷蔵庫で冷やしておきますよ〜。
生徒:いまもう飲んでしまいたい〜。
先生:つづいて、「砂肝とペコロスのバルサミコ酢煮」。炒め煮にしていきます。
生徒:先生、ペコロスって何ですか?
先生:小玉ネギのことよ。厚手の鍋にオリーブオイルをひいて、ニンニク、砂肝、ペコロスをざっと炒めます。次にバルサミコ酢、ハチミツ、セージ、粗塩を加えたら全体を混ぜて、フタをして弱火で20分ほど煮ます。
生徒:じっくり煮えて甘くなった小玉ネギ……いやペコロス。おいしそうだなぁ〜。
先生:ペコロスだけのお酢煮もお勧めよ。さて、パスタの湯を沸かしながら、「イカと枝豆のさっと炒め」を準備していきましょう。白イカは内臓を取って皮をむき、3㎝幅の輪切りにします。枝豆は4〜5分ほど茹でて、さやから出しましょう。青唐辛子は薄切りに、ショウガは小さめの乱切りにします。
生徒:青唐辛子、よく買うのですが、常に数本あまらせがちです。
先生:生のものが買えたらまとめて冷凍しておくの。それか、細かく刻んで醤油漬けにしてもいいのよ。さて、お鍋にオリーブオイルを熱して白イカを炒めますよ〜。ショウガ、白イカ、枝豆、青唐辛子の順に入れて、白ワインをふってさっと炒めます。最後にバターを加えて全体を混ぜてね。
生徒:冷えたワインください〜!
先生:まだよまだ(笑)。器に盛ったらレモンを搾って、白胡椒をふってミントを散らしてね。さあこのままパスタも仕上げていきましょう。表示時間通りに茹でたらザルにあげ、氷水で冷やして水気をきります。冷蔵庫で冷たくしておいたソースを器によそって、その上にパスタを丸めてのせますよ。
生徒:先生! パスタをくるっとする瞬間が速すぎて見逃しました!
先生:1人分のパスタをトングでつかんで、もう片方の手でくるりとトングに巻き付けるの。簡単でしょ? 盛りつけたら赤ワインビネガーとオリーブオイルをまわしかけて、しっかり酸味をきかせてね。最後に黒胡椒と実山椒を散らしたら完成です。
生徒:前言撤回。私の胃袋バテてません!
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1.イカと枝豆のさっと炒め
最初に炒めるのは乱切りにしたショウガ。しっかり炒めて香りを引き出す。
白ワインを加えて短時間で仕上げると、ふっくらやわらかなイカが味わえる。
〈材料〉2人分
白イカ…小2杯
枝豆…150g
青唐辛子…2本
ショウガ…1かけ
オリーブオイル…適量
白ワイン…大さじ2
バター…5g
レモン…1個
白胡椒…適量
ミント…適量
〈作り方〉
1.白イカは内臓を取り除き、皮をむいて3㎝幅の輪切りにする。枝豆は4〜5分ほど茹で、さやから出す。青唐辛子は薄切りにする。ショウガは小さめの乱切りにする。
2.鍋にオリーブオイルを熱し、ショウガ、白イカ、枝豆、青唐辛子を入れて炒め、白ワインを加えてさっと炒め、バターを加えて全体を混ぜる。
3.器に盛り、レモンを搾り、白胡椒をふってミントを散らす。