投資に関する知識ゼロから株式投資で“億り人”となったタレント杉原杏璃氏によると、株式投資は「利回りがいい企業に投資すれば安心」とは限らないそうです。では、いったいどんな銘柄に投資すれば資産を増やすことができるのか。著書『マンガでよくわかる資産運用1年生 億り人杉原杏璃と一緒に』(かんき出版)より、具体的な会社名をあげながら解説します。
単純に「利回りが高ければいい」とは限らない
「配当+株主優待利回り」が高ければ良いのか? ということですが、これは残念ですが、一概に良いとは言えないところがあります。
たとえば、「配当+株主優待利回り」のランキングで1位の「タメニー」という会社は、利益配当金と株主優待を合わせた利回りが265.48%(2024年5月30日現在)と非常に高いのですが、この会社の配当利回りは0%。
つまり265.48%の「配当+株主優待利回り」は、すべてこの会社の株主優待によって稼いだ数字です。
では、タメニーの株主優待が何かというと、自社サービスの割引です。
ちなみにタメニーは婚活やカジュアルウェディングなど、結婚関連のサービスを提供している会社。それに関連した株主優待が付いていたとしても、婚活などと関係ない人にとっては全く意味のない株主優待になります。
つまり、265.48%の「配当+株主優待利回り」は、絵に描いた餅に過ぎません。
カーチスホールディングスも同じです。
同社の「配当+株主優待利回り」は170.62%(2024年5月30日現在)と、やはり非常に高いのですが、ここの株主優待は、同社のメイン事業である中古車の購入・売却で利用できる3万円相当の株主優待券です。
2024年3月期の配当は無配なので、「配当+株主優待利回り」の大半は、この3万円の株主優待によってかさ上げされたものになります。
でも、いくら「配当+株主優待利回り」が170.62%だとしても、中古車を購入・売却しない限り、何の意味もありません。
いくら「配当+株主優待利回り」が高くても、自分の日常生活の範囲内で経済的メリットが得られるものでなければ、全く意味のないものになってしまうのです。
その辺を踏まえてご自身の生活にあった優待を選んでみてください。
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優待と配当金のどちらも楽しめる“優良銘柄”
前に紹介した2社は配当金がほぼない会社でしたが、優待品を楽しみながら配当金も受け取れるほうがいいという方へは、例えば、バロックジャパンリミテッドという会社があります。
「配当+株主優待利回り」は9.80%ではありますが、最低投資金額が70,000円台で、人気の婦人服ブランドのグループ店舗で使える割引券が年に4,000円分もらえて、配当利回りも4.77%と高めになりますので、ファッションに興味のある方には良いのではないでしょうか(2024年6月12日現在)。
ちなみに、配当利回りのみでの高配当の目安は3%以上と言われています。
会社の将来性がどうかという点は慎重に吟味する必要があるものの、日常生活のなかで使えるものが株主優待になっている、1つの例として挙げておきます。
また、利益配当金の利回りが高いから良い会社かというと、これも一概にそうだとは言えません。
利益配当金は、会社の1年間の事業で得た利益の一部を充てるものなので、儲かった年は利益配当金も大きくなりますが、逆に利益が全く増えないような時は、前年に比べて利益配当金の額が減らされることもあります。
これを減配といって、実際にそれが行われると、株価は大きく下げます。
結果、受け取った利益配当金を超える損失を被り、プラス、マイナスでマイナスになる恐れがあるので、単純に配当利回りが高い銘柄への投資が有利とは言えないのです。